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BEAUTY 第00号
BEAUTY 第64号
美容皮膚医学BEAUTY 第64号(Vol.8 No.6, 2025)

A4変型判/88頁
定価4,400円(本体4,000円+税10%)
ISBNコード:978-4-287-91064-1
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特集●ライフステージに寄り添う美容医療

企画編集/足立真由美,川田 暁
 日本美容外科学会(JSAPS)の2019年の報告では,世界的には外科的施術数が約40%を占めるが,日本ではわずか15.4%である.日本の美容手術数は,世界で行われている美容手術のわずかに2.3%であるが,非外科的施術は10%を超える施術が日本で行われていることになる.さらに美容手術の内訳でも大きな特徴がみられ,世界的には,顔の手術は4割で,乳房が3割,躯幹・四肢が3割を占める.すなわち,体形に関する美容手術が過半数を占める.しかし,日本では顔の美容手術数が9割を占め,乳房と躯幹・四肢はそれぞれ5%ずつしかない.すなわち日本人の美容の関心が,極端に顔に偏っていることが示されている.
2020年以降からは,「フェムテック」=女性特有の健康課題(月経・妊娠・出産・更年期・性機能・腟ケアなど)を,テクノロジーや医療で支援する製品やサービスが急速に拡大し,婦人科・美容クリニック双方で「フェムケア」を導入する施設が全国的に拡大しており,各ライフステージの悩みにもデリケートゾーンの悩みがピックアップされるようになった.
また,美容医療は女性だけではなく男性も利用が進み,近年は緩やかに増加傾向にある.美容医療は,今や特別なものではなく,日常的なセルフケアの一環として利用されており,今後も,技術やサービスの進化により,世代を問わず,より多くの人々が自分らしい美しさを追及できる時代が続くと考えられる.またテクノロジーの進化とともに,より個別化・多様化が進み,AIを活用した肌診断や,再生医療技術の応用など,新たな施術や治療が登場し,患者の悩みにより細かく応え,さらに進化すると思われる.
そのような美容医療について,今回は「ライフステージに寄り添う美容医療」という切り口で特集を組んだ.思春期・成人期・更年期・老年期など各ライフステージにおいては特有の悩みがある.思春期,成人期には肌や容姿の悩みが目立ち,それらは美容医療のみで解決できることも多いが,更年期には婦人科の悩みがプラスされてくる.老年期においては,体の不調や機能低下が進み,美容医療だけでなく再生医療の活用が必要になってくる.
本特集では,今後我々が経験するであろう患者の悩みや要求に対して,必要な知見と治療法を詳しく解説していただくよう,各分野のスペシャリストの先生方に執筆を依頼した.明日からでも患者に共有できる情報を具体的に供覧していただいたので,読者の方々は参考にされ診療に生かしていただければ幸いである.


足立真由美
(W CLINIC 理事長)



1.人生100年時代の美容医療/足立真由美
2.美容医療で知っておくべきアレルギー性皮膚疾患/足立厚子
3.最新のざ瘡治療/黒川一郎
4.ざ瘡・あざなどのカバーメイクアップ/山本晴代
5.シミ治療/菱川美紀
6.肌育・肌質改善治療/梁川厚子
7.ボツリヌストキシン治療/佐藤もも子
8.10歳若返る目周りの治療/朝村真一
9.腟のアンチエイジング(Er:YAGレーザー)/宮崎綾子
10.産婦人科医師による本物のフェムテック/宮本亜希子
11.乳房・乳頭のアンチエイジング/伊谷善仁
12.再生医療でエイジングは怖くない/鈴木健一郎,古賀祥嗣