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CIRCULATION 9月号
臨床循環器CIRCULATION 14年第1号

14年1月27日発売
A4変型判96頁
価格:本体¥2,500+税
ISBNコード:978-4-287-83027-7
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特集循環器疾患における画像診断の進歩〜CT・MRI編〜

企画編集/赤阪隆史
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 循環器領域に限らず,近年の非侵襲的画像診断法の進歩はめざましく,日常診療における画像診断の有用性とその選択幅は飛躍的に拡大した.しかも,その進歩は現在進行形であり,今後もさらなる進歩が期待される.さらに,画像の保存や再生技術の進歩も日進月歩で,循環器領域においてはこれらの革新的な画像診断技術の進歩を生かして,診断精度の高い,説得力のある,貴重な画像をリアルタイムに2次元・3次元動画像として提示することが容易となった.その結果,診断ガイドラインにおける各種非侵襲的画像診断の位置づけが重要となり,侵襲的診断法の適応がむしろ制限される方向にあるといっても過言ではない.しかし,いずれの検査法も万能ではなく,それぞれの長所・短所や診断能力を十分に理解したうえで,より効率的かつ確実に診断できるように適応と手順を選択しなければならない時代となっている.すなわち,被検者にとって最も非侵襲的で精度の高い診断法を,最も効率よく適応できる能力が検者として求められている.さらに,同一の検査法であっても機種による差異があり,それぞれの機種の特徴を生かした検査法が望まれ,無駄な検査を省くことによって時間的・費用的な無駄をなくすことも求められている.
 今やMSCTは,つい先日までの64列の時代から256列・320列の時代へ移行しつつあり,心房細動の症例や息止めの困難な症例でも,低被ばくで少量の造影剤により冠動脈病変の診断が可能となってきている.また,最近MSCTでは,冠動脈病変評価だけでなく心筋perfusionを同時に評価しようという方向での検討が進んでいる.MRIではシネMRIや遅延造影MRIは循環器領域の日常臨床検査となり,心筋perfusion画像で心筋虚血の診断がなされるようになり,whole heart MRIではvulnerable plaqueを検出する試みまでなされている.
 本特集では,近年,循環器領域において進歩・普及が最も早い領域のひとつである非侵襲的検査法のCTとMRIに焦点をあて,現時点での診断能力と適応,将来性などに関して循環器科と放射線科における各領域の第一人者に執筆をお願いし,日常臨床におけるCTとMRIの適応や診断精度だけでなく,効率的な用い方や侵襲的検査法との住み分け,将来的な発展性などに関しても解説いただいた.いずれも力作であり,大変濃密な内容である.循環器領域におけるCT・MRIの進歩は,まだ道半ばで,今後もさらなる発展が期待されるが,先駆的な検討の時期から日常臨床応用の時期に移行しつつあると思われる.その重要な過渡期において,本特集が非侵襲的心臓画像診断の入門書として活用され,日常臨床の手助けとなると同時に,循環器領域の先生方の関心を集め,CT・MRIが日常臨床手段としてさらなる発展を遂げる一助となることで,患者への福音となればこのうえない幸せである.
赤阪隆史
和歌山県立医科大学 循環器内科 教授
1.MSCTによる冠動脈評価/元山貞子
2.石灰化病変・ステント留置病変に対するCTの適応と将来性/吉岡邦浩
3.MSCTの冠動脈インターベンションへの適応/五十嵐慶一 他
4.大動脈疾患のCT/栗林幸夫 他
5.MSCTによる心筋perfusionの評価/小山靖史
6.心臓CTと心筋SPECTの融合画像/川崎友裕
7.シネMRIによる心機能評価/北川覚也 他
8.MRAによる大血管・下肢血管評価/山田昌央 他
9.遅延造影MRIによる心筋評価/谷本貴志
10.perfusion MRIによる心筋虚血評価/松本英成
11.冠動脈MRAによる冠動脈評価/佐久間 肇 他
12.whole heart MRIによる冠動脈プラーク評価/野口暉夫