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Heart 2013年2月号 SOLD OUT |
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2013年1月15日発売
A4変型判 価格:本体 2,000円+税 ISBNコード:978-4-287-86018-2
全ページカラー印刷
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特集●循環器疾患患者の末期医療
〜そのとき,ナースにできること〜
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企画編集/野々木 宏 |
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画像をクリックするとサンプルをPDFでご覧いただけます |
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治療の進歩により難治性疾患の救命率が向上している一方で,社会復帰困難例や,回復の見込みのない症例も増加し,医療の現場はその対応に苦慮しているのが現状です。循環器領域では,移植医療や人工心臓をはじめとする補助循環の導入で,これまで致命的であった症例が救命可能となってきました。このような新しい治療法の適用を検討していくなかで,適応や中断条件などについて,超高齢化時代に即した治療体系の確立が急務となっています。そのような背景のもとに,循環器医療における末期的な状況に対する治療的介入について,緩和ケアも含めた統合的な取り組みが必要とされています。その対策として,日本循環器学会のガイドライン作成合同研究班において,『循環器疾患における末期医療に関する提言』が作成されました。
循環器疾患の末期状態(end-stage)とは,最大の薬物治療でも治療困難な状態です。終末期(end-of-life)は,循環器疾患での繰り返す病像の悪化あるいは急激な増悪から,死が間近に迫り,治療の可能性のない末期状態を指します。この両者を区別して,検討する必要があります。
循環器疾患には,心不全,不整脈,腎疾患など慢性に経過する疾患があり,末期には増悪と緩解により入退院を繰り返すようになります。この時期に,今後の治療手段や見通し,これから迎える終末期のことを十分に説明し,本人の意思確認を行う必要があります。循環器疾患に対する緩和ケアはこの時期から開始し,症状への対応や精神的支援,治療方法の選択支援などが医療チームとして必要となります。終末期には,救命か延命か,治療差し控え,あるいは治療の中止などを検討する必要があり,これには本人や家族の意志の確認と複数の医療スタッフによる検討が必要です。各施設において一定の指針に基づいて,個々のケースを議論できるチームやシステムが必要となります。
心疾患末期状態の治療には,薬物療法や機械的補助療法以外に,患者や患者家族への支持療法(supportive care)が必要です。これには,薬物療法の説明,自己管理の方法,患者と家族の精神的・心理的ケア,社会的支援や家族のケアなどの支援体制の利用などを促すために,多職種チームとして多面的に取り組むことが必要とされます。
本特集の内容が重症循環器症例を担当されるときの一助となれば幸いです。
野々木 宏
(静岡県立総合病院 院長代理,国立循環器病研究センター
客員部長,京都大学医学部附属病院 循環器内科 臨床教授)
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特集
1.循環器疾患患者の末期医療/横山広行
2.末期状態にある患者の治療指針
1)心不全/大石醒悟
2)不整脈/鎌倉史郎
3)集中治療/石川雅巳
4)補助循環/中谷武嗣
5)末期心不全患者のチーム医療の取り組み/佐藤幸人
3.末期チーム医療のなかでの看護師の役割/伊藤真理
4.症状マネジメント/高田弥寿子
5.患者・家族への意思決定支援/能芝範子
6.家族ケア・看取りのケア/山田聡子
7.精神的ケア/伊藤弘人
連載
・読み取るチカラを伸ばします! エコトレ〜心エコー図 読み方トレーニング〜 第5回 心筋梗塞慢性期の合併症〜心尖部の心室壁をよくみよう〜/藤原昌平
・循環器ナースのための!ガイドライン読解塾〜ガイドラインを理解し,患者支援に活かす〜 第6回 心臓突然死の予知と予防法のガイドライン/宮園真美
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