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Heart 2013年3月号 SOLD OUT |
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2013年2月15日発売
A4変型判 価格:本体 2,000円+税 ISBNコード:978-4-287-86019-9
全ページカラー印刷
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特集●知識を深めて実践力アップ! 循環器領域における高齢患者の看護ケア
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企画編集/筒井裕之 |
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画像をクリックするとサンプルをPDFでご覧いただけます |
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心血管病は,高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病が,動脈硬化,さらには心筋梗塞を発症させ,リモデリングを介して心不全から最終的に死に至る一連の連鎖としてとらえられます。生活習慣病はいずれも加齢とともに患者数が増加します。加齢は動脈硬化を進展させ,虚血性心疾患や心不全を引き起こします。高血圧は心肥大から拡張機能障害を引き起こしますが,このような心不全も高齢者に多いことが知られています。また,弁の変性・石灰化は大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症の原因となります。さらに,刺激伝導系の加齢性変化によって,心房細動,洞不全症候群,高度房室ブロックが引き起こされます。このように,循環器疾患の多くが心血管系の老化と密接に関与しており,循環器領域において高齢患者が多くなるのは必然の結果といえます。
日本は人口の高齢化が急速に進んでおり,65歳以上の高齢者が総人口に占める割合が2005年には20%を超え,2020年には28%,2040年には33%に達すると推定されています。このような超高齢化社会の到来により,今後ますます循環器領域の高齢患者が増加すると予想されています。とくに,患者数が多い生活習慣病や入退院を繰り返す慢性心不全に対して有効な看護ケアを実施する体制を確立していくことが医療現場の急務となっています。
しかしながら,高齢患者は,複数の他臓器疾患の合併や日常生活動作(ADL)の低下,認知機能の低下といった全身的機能障害を伴うことが多く,個別化した治療・看護ケアを必要とします。さらに,高齢患者では薬物治療で副作用を生じやすいため,投与方法の調整や十分なモニタリングも必要です。したがって,高齢患者のケアでは看護師を中心とした医療専門職によるチーム医療,さらには在宅・社会的支援も含めた包括的ケアを実践していくことが求められます。
本特集では,循環器領域において高齢患者の看護ケアを実践するために必要な知識を深めていただくために,1)循環器領域における高齢患者の特徴,2)生活習慣病,急性冠症候群,不整脈,心不全,認知症を有する高齢患者の治療とケア,3)高齢患者の看護ケアのポイントとしてフィジカルアセスメントと疾病管理,4)高齢患者の心血管リハビリテーション,5)高齢患者の在宅ケア・社会的支援というテーマについて,第一線で活躍する,主として看護のエキスパートに執筆していただきました。
本特集が,循環器内科・外科の看護師さんはもちろんのこと,高齢患者の看護を担当される幅広い看護師さんの知識とスキル向上の一助となれば幸いです。
筒井裕之
(北海道大学大学院 医学研究科 循環病態内科学 教授)
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特集
1.循環器領域における高齢患者の特徴/眞茅みゆき
2.循環器疾患を有する高齢患者の治療とケア
1)生活習慣病/吉田俊子
2)急性冠症候群/高岡勇子
3)不整脈/樗木晶子
4)心不全/松岡志帆
5)認知症/大津美香
3.高齢患者の看護ケアのポイント
1)フィジカルアセスメント/小泉雅子
2)疾病管理/加藤尚子
4.高齢患者の心血管リハビリテーション/渡辺 敏,井澤和大
5.高齢患者の在宅ケア・社会的支援/押川真喜子
連載
・読み取るチカラを伸ばします! エコトレ〜心エコー図 読み方トレーニング〜 第6回 胸痛の原因は?〜心臓の収縮時の形態に注目!〜/福井美保
・循環器ナースのための!ガイドライン読解塾〜ガイドラインを理解し,患者支援に活かす〜 第7回 ペースメーカ,ICD,CRTを受けた患者の社会復帰・就学・就労に関するガイドライン/前田明子
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