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HEART 13年5月号
Heart 2013年9月号 SOLD OUT

2013年8月15日発売
A4変型判
価格:本体 2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-86025-0
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特集チーム医療で心不全の再入院を回避する!!

企画編集/佐藤幸人
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目次[PDF 連載[PDF 特集[PDF 連載[PDF
 近年,高齢化社会が進むにつれ心不全患者も増加する傾向にあります。患者には心臓疾患以外の他疾患の合併も多くなり,さらには独居,経済的困窮など,その家族まで巻き込んで,疾患的にも社会的にも厳しい立場に追い込まれていることがあります。増加する患者の介入点を医療以外にも求めて多角的に探ろうとすると,患者を中心としたチーム医療の概念を立ち上げ,社会的に広く定着させることが必要になってきます。
 私が提唱する心不全のチーム医療とは,「多職種の視点でなければ気がつかない介入点を探り,多職種ならではの解決法をみつけること」です。このためにはまず医師,看護師,薬剤師以外に,リハビリスタッフや栄養士までも含めた多職種チームの結成と,勉強会の立ち上げが必要です。次に,心不全は難解な学問であるという思い込みを払拭し,患者自身も心不全をよく理解することができるように,心不全を噛み砕いてシンプルにすることも必要です。このため心不全手帳などを含めた資材作成も必要となります。
 さて,チーム医療の目標とするところにはいろいろあると思われ,各施設でも異なると思いますが,本書では「再入院を予防すること」をテーマとしました。心不全患者は入退院を繰り返す過程で全身状態が徐々に悪化するため,再入院を予防することは非常に重要な課題です。医学的治療以外にチームで介入することにより,終末期医療や低栄養の概念を盛り込むことが可能になり,ケアに新たな介入点が生じます。さらには慢性心不全看護認定制度が始まっており,将来その卒業生たちを中心に,心不全チーム医療の取り組みが全国的に始まるものと思われます。今後は院内のチーム医療の概念を,地域または在宅へ広げるという働きも必要になってきます。本特集は,そのようなチーム医療の創世記ともいうべき状況のなか,将来への希望と期待を込めて企画させていただきました。社会的に重要な課題ですので,ぜひ皆さん,ともに考えていきましょう。
佐藤幸人
(兵庫県立尼崎病院 循環器内科 部長)
特集
【I.入院回避の介入点】
1.ACE阻害薬,β遮断薬で収縮性心不全の入院を回避する/絹川真太郎
2.利尿薬で入院を回避する/廣谷信一
3.心臓リハビリで入院を回避する/中野善之
4.ASVで入院を回避する/安達 仁
5.遠隔モニタリングで入院を回避する/鈴木 誠
【II.心不全チーム医療を行うために必要なこと】
1.心不全チームの作成/鷲田幸一
2.心不全手帳の活用方法/眞茅みゆき
【III.チーム医療の今後】
1.地域ぐるみで入院ケアと外来ケアの連続性を考える/富山美由紀
2.精神的ケアの重要性/宮地さやか
3.管理栄養士の役割/宮島 功,宮澤 靖
4.慢性心不全看護認定看護師の今後の役割/前田靖子

連載
・読み取るチカラを伸ばします! エコトレ〜心エコー図 読み方トレーニング〜
第12回 心臓の周囲をエコーでみよう!!/中坊亜由美

・循環器ナースのための!ガイドライン読解塾〜ガイドラインを理解し,患者支援に活かす〜
第12回 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン/安藤幸子