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HEART 13年5月号
Heart 2013年10月号 SOLD OUT

2013年9月17日発売
A4変型判
価格:本体 2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-86026-7
全ページカラー印刷

特集学びなおしで疑問とサヨナラ! 輸液管理の基礎から実践まで

企画編集/猪又孝元
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 動物が海中から陸上に生活の場を広げることができたのは,ホルモンなどの働きにより,体内に海を再現できたためという話をお聞きになったことがあるでしょう。体液と電解質を一定範囲内に保つ性質は恒常性(ホメオスタシス)と呼ばれ,私たちが命を続けるための絶対条件です。言い換えれば,体液量と電解質濃度は,よほどのことがないかぎり,極端な異常をきたしません。しかし,病気の体はときに恒常性を保つことが困難であったり,あるいは,許容範囲が健常体とは異なったりする場合があります。その際に,輸液療法が力を発揮します。
 輸液療法は,全身管理に携わる医療スタッフが習得すべき基本的な医療行為です。しかし実は,輸液療法は医学の歴史のなかでは,とても新しい治療の部類に入ります。まだまだわからないことが多く,発展途上の治療法ともいえます。疾患や病態に基づく違いとなると,わからないことだらけといってもよいでしょう。
 ところで,循環器疾患の特徴は何でしょうか。1つは,急激な血行動態の変化,多くは救急医療の分野です。もう1つは,意外かもしれませんが,多疾患有病者の存在です。心血管病は,有リスク状態から終末病型としての心不全まで,進行性の病態を呈します。長い期間をかけ,その多くは老化現象とダブります。超高齢者社会を迎え,多くの合併症を抱えた循環器疾患の患者さんが増え,循環器病棟なのに心臓以外の臓器障害で苦しんでおられる現実があります。
 この特集では,現代の循環器疾患の特徴を念頭に,輸液療法の基礎から実践までを専門の先生方がご解説くださいます。循環器ナースとして押さえるべき水・電解質管理のツボは何か?ここはどっぷり輸液療法の世界に浸かっていただきましょう。
猪又孝元
(北里大学医学部 循環器内科学 講師)
特集
【STEP 1 輸液療法に必要な知識】
1.水と電解質の基礎知識/酒井健史,竹内康雄
2.輸液の基礎知識/神應知道

【STEP 2 疾患と病態に基づく輸液療法の考え】
1.蘇生とショックの現場から/井ノ上幸典,広瀬保夫
2.心不全-最適な体液量の評価と是正-/大石醒悟
3.心不全での輸血のタイミング-貧血をどう考えるか-/梶本克也
4.虚血性心疾患-輸液に何を求めるか-/塩野方明
5.不整脈疾患-電解質をどう意識するか-/水上 暁,鈴木 誠
6.循環器疾患に合併した腎機能障害/古澤彩美,柴垣有吾
7.脳卒中-輸液療法の意味はどこにあるか-/増田 励
8.高齢者における輸液療法の特殊性と留意点/中嶋安曜,北岡裕章

連載
・読み取るチカラを伸ばします! エコトレ〜心エコー図 読み方トレーニング〜
第13回 エコーフリースペースがみられたら/藤原昌平

・循環器ナースのための!ガイドライン読解塾〜ガイドラインを理解し,患者支援に活かす〜
最終回 禁煙ガイドライン/河野真理,蛯名由加里