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HEART 13年11月号
Heart 2014年5月号
SOLD OUT

2014年4月15日発売
A4変型判
価格:本体 2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-86033-5
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特集この波形を見逃すな!循環器病棟の危険な不整脈

企画編集/加藤貴雄
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目次[PDF 連載[PDF 特集[PDF 特集[PDF
 さまざまな循環器疾患患者さんが入院している循環器病棟においては,緊急治療を必要とする危険な不整脈が突然発生することがまれではありません。いつ,どの患者さんにどんな不整脈が起こるか全く予測がつかないばかりか,これらの危険な不整脈がひとたび起これば,現場では1分1秒を争う適切な対処が求められることになります。したがって,循環器病棟に勤務する医師も看護師もこれらの病態に関して正確な知識を持ち,適切な対処法をしっかりと身につけておく必要があります。
 危険な不整脈の発生をできるだけ早期に把握するために,心電図モニターが有用であることに異論はありませんが,すべての入院患者さんで,すべての入院期間にわたって心電図をモニターし続けるのは物理的にも不可能であり,実際的ではありません。どのような患者さんで,どのような病態において心電図モニターが必要であるのかを的確に判断し,それぞれの患者さんで起こりうる事象を事前に予測したうえでモニターすることが重要です。
 心電図モニター中は危険な不整脈を早期に発見することはもちろん,その前兆と考えられるような心電図変化が起こっていないかを注意深く観察するとともに,少しでも変化を見つけたら次にどのような事象が起きる可能性があるか,微細な変化を先回りして把握し,素早く対処することが必要です。モニター心電図のみで判断が難しい場合には,12誘導心電図を繰り返し記録して確認することもあります。また心電図所見によっては,現在不整脈が起こっていなくても緊急アブレーション治療を考慮しなければならないこともあります。すなわち,危険な不整脈が起こってから慌てて対応するのではなく,心電図所見の変化からその発生を予知し未然に防ぐことが最も重要であり,それが最もよい結果をもたらすと考えられるのです。
 本特集では,循環器病棟においてしばしば遭遇するいくつかの危険な不整脈について,心電図波形のどこに注意してみるのか,見落としてはいけない異常所見や見逃してはいけない前兆と考えられる変化などについて,実際の心電図波形をもとにそれぞれ第一線で活躍中の専門家の方々にわかりやすい解説をお願いしました。
 循環器病棟における日常の診療業務のなかで,受け持ち患者さんが重症不整脈突発によって不幸な転帰をとることのないよう,本特集から得られる知識や基本的な考え方をしっかりと身につけ,それぞれの患者さんに即した適切な心電図モニターを効果的に行えるようになるための一助としていただければ幸いです。
加藤貴雄
(国際医療福祉大学三田病院 教授)
特集
1.不整脈とその危険性/杉 薫
2.病棟における心電図モニターの意義と実際/北方博規,栗田康生
3.最も危険な頻脈性不整脈:心室細動/村田広茂
4.危険な頻脈性不整脈:心室頻拍,トルサード・ド・ポアンツ/飯田剛幸,小林義典
5.心室細動,心室頻拍,トルサード・ド・ポアンツの前兆と関連病態/橋本賢一
6.危険な徐脈性不整脈:洞停止,高度房室ブロック/小田切史徳,中里祐二
7.高度房室ブロック,洞停止の前兆と関連病態/丹野 郁
8.その他の危険な不整脈:1:1伝導の心房粗動,WPW症候群における頻脈性心房細動/坪井一平,林 明聡

連載
読み取るチカラを伸ばします!エコトレ〜心エコー図 読み方トレーニング〜
第19回 心雑音の原因は何だろう?/福井美保