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HEART 16年8月号
循環器ナーシング 2017年1月号

2016年12月30日発売
A4変型判
価格:本体 2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-86065-6
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特集多様な場面で行われる循環器疾患の緩和ケア

企画編集/仲村直子
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 2010年,日本循環器学会から『循環器疾患における末期医療の提言』が発表され,関連学会でも心不全の緩和ケアが話題にのぼるようになってきました。しかし,心不全のように徐々に悪くなってきてから最期を迎える方だけではなく,循環器疾患のなかには積極的な治療をしていたのにその甲斐なく,または急変して,緩和ケアを必要とする状態も多くあります。また心疾患発症時にCPA(心肺停止)となり,突然死ではなくても,本人の意思のわからぬまま回復が望めなくなる患者もいます。高齢で80〜90 歳になって初めて心不全になり,疾患というより加齢に伴う身体機能の低下で心不全を起こし,最期を迎えていく方もいます。このように死に至る経過がさまざまななかで,循環器看護師は緩和ケアを行わなければなりません。医師は最後まで積極的な治療を行い,家族もまた助かってほしいと望み,あきらめられず,もう助からないとわかっていても治療の撤退を決断できないこともあります。患者の苦痛をそばで見ている看護師は,ジレンマを抱えることが多いのではないかと思います。また緩和ケアとは,麻薬を使用した症状緩和だけではありません。倦怠感を緩和するために強心薬の投与が緩和ケアになる場合も多くあります。循環器の緩和ケアは,始まったばかりですが,きっとがんとは違った循環器特有の緩和ケアがあるのではないかと思います。
 今回の特集では,がんの緩和ケアを実践してきたがん看護CNSに緩和ケアの基本をご教授いただき,さらに積極的治療から緩和ケアまでジレンマのなかで患者や家族に向き合う看護師のメンタルヘルスについて,いつも私を救ってくれるリエゾンCNSに循環器看護師を救う言葉をいただきたいと思います。そして,多様な場面で行われる循環器疾患の緩和ケアの事例をいくつか紹介します。これらの事例が循環器看護に携わる看護師の参考になり,答えはないけれど,また次に頑張るパワーにつながることを願っています。
仲村直子
(神戸市立医療センター中央市民病院,慢性疾患看護専門看護師)
特集
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緩和ケアの基本〜がんの緩和ケアから多様なプロセスを踏む循環器疾患への応用〜/細矢美紀
緩和ケアを行う循環器看護師のメンタルヘルス〜患者さんや家族の心とともに自分の心も守ろう〜/新田和子
ICUで行う開心術後の緩和ケア〜生きるための手術からの転換〜/森田幸子
CPA搬送や急変など突然の事態で行う緩和ケア/大江理英
心不全の緩和ケア〜緩和ケアにつなぐための外来での準備〜/仲村直子
心不全の緩和ケア〜強心薬と麻薬の使用による症状緩和〜/山部さおり
心不全の緩和ケア〜在宅での看取りを目指した地域連携〜/田中奈緒子
高齢循環器患者さんの緩和ケア〜疾患と身体機能の低下のなかで迎える最期〜/杉原陽子
連載
◆循環器ナースのためのカテーテル講座〜指導する側・される側Win/Winカテ室看護〜/澤海綾子
 第4回 カテ前オリエンテーションの重要性!