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これで納得!画像で見ぬく消化器疾患 vol.2大腸
シリーズ総編集:渡辺 守
(東京医科歯科大学大学院 消化器病態学 教授)
編:田中信治
(広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 内視鏡医学,
広島大学病院 内視鏡診療科 教授)
B5判●208頁●全頁カラー
ISBN978-4-287-11201-4
定価 本体9,000円+税
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【本書の特徴】
・第1巻より写真がより大きくなったシリーズ最新刊
・選りすぐりの鮮明な画像を1200点以上掲載
・経験豊富なエキスパート執筆陣がずらり
・臨床ですぐに使える知識や画像診断のコツから応用的知識まで1冊で網羅



【vol.2 巻頭言】
  近年の内視鏡医学の進歩はめざましく,新しい内視鏡診療機器が続々と開発され,電子内視鏡の高画素化も進んでいる。さらに,拡大観察,画像強調観察,顕微内視鏡観察,断層イメージングなどの各領域で高度な微細診断学が発展しつつある。
 大腸診断学は,薬物治療・内視鏡治療・外科的治療などの治療方針を決定するうえで必要不可欠の重要なステップであり,正確な診断なくして正しい治療はありえない。大腸には腫瘍性疾患,炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)以外にも,多くの多彩な疾患が存在し,それらを的確に鑑別診断することが診療において不可欠である。
 本書は,主として研修医・若手の先生を対象として編集したが,大腸から肛門病変までをすべて系統的に網羅し,日常の大腸疾患診療に役立つ簡潔なマニュアル的画像テキストを目指した。本書の最大の特徴は,豊富な内視鏡画像から形成された大腸疾患診断の指南書ともいえる構成にある。〈基礎編〉では,時間がないときでも短時間でポイントがおさえられる仕様とし,〈応用編〉では,各疾患の内容をより詳細に解説し,疾患概念やポイントの解説,具体的な診断方法,鑑別診断,分類などを呈示し,診断や適切な治療指針の立て方に役立つようにした。大腸炎症性疾患の診断には,病歴と臨床経過がきわめて重要であるが,その形態像をきちんと頭に入れておくことが必須条件である。また,腫瘍の場合は,その組織診断や癌の深達度が正確に診断できないと治療方針が立たないが,本書では,そのための拡大観察や画像強調観察(NBI/BLIなど)に関する最新の診情報もしっかり記述してある。
 1つ1つの内視鏡画像がこの道の最先端で活躍中の先生方による美しい最高のものであることも大変魅力的である。また,「診断のポイント!」も充実しており,どのような意識で診断手技を選択し鑑別診断や質的診断を行えばよいかが簡潔に示され,内視鏡診断学に必要なポイントが包み隠さず記載されている。まれな疾患や,最新のトピックス,内視鏡診断上の技術的なコツとピットフォールも含めてかゆいところに手が届くように解説されており,エキスパートや指導医のいない状況でも本書が診断学の指導の役割を担ってくれると信じている。
 最近,内視鏡診断に関する成書も数多く出版されており,どの本を購入しようかと迷うことであろう。このようななかで,本書は肩のこらない簡便簡潔な「大腸内視鏡診断学習得のための初級者必須のテキスト」であり,その内容は内視鏡専門医を目指す先生方が手に取ってすぐに役立つ,きわめて実践的な内容となっている。このテキストが,内視鏡診療に日夜研鑽を積まれている諸先生方の座右の書となれば望外の喜びである。
 最後に,大変お忙しいなか快く執筆をお引き受け下さった諸先生方に厚く御礼申し上げるとともに,このような企画を組む機会を与えて下さった医学出版諸氏に感謝する次第である。
田中信治
広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 内視鏡医学,広島大学病院 内視鏡診療科 教授



【目次】
●正常

●A 炎症性腸疾患
01 潰瘍性大腸炎(UC)/02 クローン病(CD)/03 Indeterminatecolitis/04  Colitic cancer/Dysplasia

●B 非腫瘍性疾患
01 ベーチェット病・単純性潰瘍/02 腸結核/03 虚血性大腸炎/04 特発性腸管静脈硬化症
05 Collagenous colitis/06 放射線性腸炎/07 アミロイドーシス/08 薬剤性潰瘍/09 偽膜性腸炎
10 AIDS関連疾患/11 GVHD腸炎/12 好酸球性胃腸炎/13 IgA血管炎関連腸炎/14 アフタ性大腸炎
15 急性出血性大腸炎/16 急性出血性直腸潰瘍/17 宿便性潰瘍/18 直腸粘膜脱症候群
19 Cappolyposis/20 大腸憩室症(炎症・出血)/21 腸管嚢腫性気腫症/22 大腸メラノーシス
23 腸管子宮内膜症/24 腸間膜脂肪織炎/25 感染性腸炎/26 アメーバ性大腸炎/27 サイトメガロウイルス腸炎/28 クラミジア直腸炎/29 炎症性ポリープ/30 過形成ポリープ/31 若年性ポリープ
32 Peutz-Jeghersポリープ/33 CMSEP/34 回腸嚢炎/35 Diversion colitis/36 直腸静脈瘤
37 痔核

●C 局在性腫瘍
01 Pit pattern診断/02 NBI(IEE))/03 BLI(IEE)/04 腺腫(管状・管状絨毛・絨毛)
05 Villous tumor/06 鋸歯状腺腫/07 SSA/P/08 表面型M/SM癌/09 隆起型M/SM癌
10 複合型(Ⅱa+Ⅱc/Ⅰs+Ⅱc)SM癌/11 LST-G/NG/12 進行大腸癌/13 MALTリンパ腫,悪性リンパ腫/14 GIST/15 血管腫(血管性病変)/16 Blue Rubber Bleb Nevus症候群/17 転移性大腸癌
18 カルチノイド腫瘍(NET)/19 大腸脂肪腫/20 リンパ管腫/21 悪性黒色腫/22 虫垂腫瘍
23 肛門管腫瘍と関連病変

●D ポリポーシス
01 大腸ポリポーシス総論/02 家族性大腸腺腫症/03 Cronkhite-Canada症候群/04  Peutz-Jeghers症候群/05 その他のポリポーシス