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健康と運動の疫学入門
- エビデンスに基づくヘルスプロモーションの展開 -
編集主幹 熊谷秋三
B5判/240頁
価格:本体4,980円+税
ISBNコード:978-4-287-19001-2
 超高齢社会、ストレス社会の現代において、肥満をはじめとする生活習慣病、ストレス関連疾患、認知症など、運動や身体活動不足が誘発する疾患が急激に増加している。本書は、こうした疾患の発生原因やその変動の様子を明らかにし、さらにはその予防や症状改善に有効な知見を提供する学問「運動疫学」とは何かを紹介するわが国初の入門書である。


本書では、はじめに疫学研究の方法論を含む疫学の基礎を紹介する。そして、慢性・退行性疾患(生活習慣病)、精神科疾患(うつ病や認知症)、および、身体障害(転倒・骨折など)の危険因子としての運動・身体活動(不活動含む)や運動・体力の役割、また、これらの様々な疾患の一次・二次予防としてのスポーツや運動に関して、最新の運動疫学研究の成果を交えながら解説する。さらには、介入研究の証拠に基づいた運動による健康支援プログラムの展開についても、特に日常生活での具体的なプログラム実践例を提供した。


大学の健康スポーツ科学関連講義の教科書、また、看護、医療、福祉、保健、さらには体育・スポーツ科学分野に属する学生・研究者の必読書として、本書は、運動による生活習慣病予防や介護予防の展開と方向性を提示する。


目次
巻頭言

推薦のことば

第1章 運動による健康支援 ─健康と運動への恩恵をめぐって

第2章 健康・運動の疫学
 2.1. 健康と運動の疫学の定義と指標
 2.2. 運動疫学の研究デザインとその方法論
 2.3. 身体活動量の評価
 2.4. 健康・運動の疫学・各論
   肥満・メタボリックシンドロームの運動疫学/
   生活習慣病・危険因子の運動疫学(がん/心疾患/脳血管疾患/
   糖尿病/高血圧/脂質代謝障害)/メンタルヘルスの運動疫学/
   介護予防の運動疫学(転倒/認知機能障害と認知症)/
   身体活動(運動行動)の疫学

第3章 身体活動・運動による健康支援
 3.1. 健康支援の基礎理論
   神経筋機能/脂肪細胞とアデイポサイトカイン/脳認知機能/
   循環器機能/AMPキナーゼと糖代謝/免疫機能/行動科学理論/
   運動と遺伝
 3.2. 対人(集団)支援
   肥満/メタボリックシンドローム/メンタルヘルス/転倒/
   認知機能障害と認知症
 3.3. 運動行動の政策支援と展望
   健康施策との観点から/運動による健康政策支援の展望(田中喜)


代表執筆者
編集主幹:熊谷秋三(九州大学健康科学センター教授)
田中喜代次(筑波大学人間総合科学研究科教授)
藤井宣晴(ハーバード大学医学部ジョスリン糖尿病センター)