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| 婦人科がん患者の臨床と看護 |
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九州大学大学院医学研究院保健学部門 教授 加来恒壽 編著
九州大学病院婦人科病棟 看護師長 眞弓恵美子 編著 |
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B5判/160頁
価格：本体2,800円+税
ISBNコード：978-4-287-12101-6 |
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臨床現場に基づく治療とケアを1冊でつかむ！
◎医師，看護師が日常的に行っている婦人科がんの診療・看護の実際がわかる
●医師の視点から
…解剖生理・病態・診療の基本をイラストでわかりやすく解説
●看護師の視点から
…日常臨床で役立つ観察ポイント・クリニカルパスを収録
◎女性×がん特有のQOLに配慮したトピックも満載
◎基本的な診断・治療・ケアから，実践的知識，最新情報まで網羅
◎初めて婦人科病棟に配属になった医師・看護師，コメディカル・スタッフ，これからがん医療を専門に学ぼうとする方々にオススメ
巻頭言
日本では「がん」が国民の疾病による死亡の最大の原因となっており，がん医療の重要性がますます増している。このような状況のなか，患者も政策立案に参画し，2007年４月より「がん対策基本法」が施行された。
その基本的理念は，（１）がんに関する専門的，学際的または総合的な研究を推進するとともに，がんの予防，診断，治療などにかかわる技術の向上その他の研究などの成果を普及し，活用し，および発展させること，（２）がん患者がその居住する地域にかかわらず，等しく適切ながんにかかわる医療を受けることができるようにすること，（３）がん患者本人の意向を十分尊重してがんの治療方法などが選択されるよう，がん医療を提供する体制の整備がなされることである。これらの理念に従い，がん医療均てん化の促進，地域におけるがん医療の充実，がん患者の療養生活の質の維持向上などを通じて，質の高いがん医療を適切に提供できる体制を整えることが求められている。
多くの新しい抗がん薬の開発や高度な医療技術の進歩に伴い，婦人科がん医療においても，多様で，より専門的な知識や技術の習得が必要とされている。また，がん医療の均てん化促進のために，専門的な知識および技能を有するがん専門医師およびがん専門看護師，診療放射線技師，薬剤師，細胞検査士など，がん医療にかかわる専門のコメディカルの育成が重要である。
本書では婦人科がん臨床の現場である九州大学病院において，医師，看護師が日常的に行っているがん診療・看護の実際について述べるとともに，その理論的裏付けについても触れる。とくに基本的な診断・治療・ケアを十分に理解したうえで実践することが重要であると考え，基本的な内容を充実させ，それに加えて実践的な内容とともに，最新の情報についても十分な紙面を割いた。また子宮頸がん，子宮体がん，卵巣がんなどの代表的疾患および治療法について，医師・看護師それぞれの視点からがんの診療・患者に対するケアなどを論じるとともに，これらを統合したがん医療が学べることを目指している。
さて，婦人科がんの臨床ではどのようなことが必要であるか？
まず婦人科がんの基本的知識として，総論では女性性器の解剖と生理，症状，検査法，代表的疾患である子宮頸がん，子宮体がん，卵巣がんをはじめとする婦人科がん疾患を概説する。そして治療法として手術療法，化学療法，放射線療法について説明し，看護の観点から観察のポイント・クリニカルパスとケアについて述べる。さらにホルモン療法，温熱療法，免疫療法などにも触れる。
各論では日常臨床で遭遇する QOL の向上およびリスク管理に結びつく副作用，疼痛管理や，患者さん・家族に対する心理的・精神的ケア，女性に特有な卵巣機能障害，妊孕性温存，美容的な視点からのトピックス，性生活に関する話題などについても概説する。
本書が婦人科がん患者の臨床と看護にかかわる多くの医師・看護師をはじめコメディカルスタッフのみならず，これからがん医療を専門に学ぼうとする方々にも役に立つことを期待している。
編著 加来恒壽
目次
総論
1.概念・定義
女性性器の解剖と生理
2.症状
不正出血／帯下／腹部腫瘤，腹部膨満／腹痛
3.検査・診断
腟鏡診・内診／細胞診／内視鏡検査／超音波断層法／CT／MRI／PET／骨シンチグラフィー／腫瘍マーカー／遺伝子診断
4.疾患
子宮頸がん／子宮体がん／卵巣がん／その他：絨毛がん，外陰，腟，腹膜がん
5.治療
手術療法／化学療法／放射線療法／ホルモン療法
各論
1.副作用
化学療法／排尿障害／排便障害（イレウス，便秘，下痢のケア）／排便障害（ストーマ・ケア）／リンパ浮腫
2.トピックＱ＆Ａ
緩和ケア／疼痛管理／婦人科がん患者の精神症状／精神的看護支援／婦人科がんに対する妊孕性温存手術／卵巣機能障害／婦人科疾患に罹患した女性の性/セクシュアリティ／性生活／美容的（問題）皮膚障害／退院時指導／婦人科がん患者のQOLと家族支援 |
