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肝とメタボリックシンドローム
-乾癬は治る- |
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| 伊藤 進 著 |
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A5判／192頁
価格：本体2,940円+税
ISBNコード：4-287-02003-6 |
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「脂肪肝こそ、
メタボリックシンドロームの検討がなされるべき疾患である！」
メタボリックシンドロームと肝疾患，そして乾癬との関係を
基本的な医学的知識から最新の知見までをふまえて解説する１冊。
（本書について）
非アルコール性肝炎（NASH）は，アルコールの飲用がなくても脂肪肝が認められる病変であり，その脂肪肝が線維化を伴いつつ肝硬変となり，さらには肝癌に至ることもある。糖尿病との関連も深いと考えられており，NASHは，現代の食事・生活様式が生みだした生活習慣病の一つといわれている。一方，肥満，糖尿病，心疾患などを引き起こす要因に，インスリン抵抗性がある。このインスリン抵抗性を特徴とするのが，NASHや非アルコール性脂肪性肝疾患（HAFLD）であり，メタボリックシンドロームなのである。
本書では，インスリン抵抗性シンドロームの中心的存在であるNASHやNAFLDと，メタボリックシンドロームとの関連を検討する。最終章には乾癬の項目を加え，疾患患者の完治例を挙げる。医師，医療従事者，医学生，当疾患患者はもちろんのこと，本疾患やメタボリックシンドロームに興味をもつ方，さらに，一般の方も必読の１冊。
（本書の特長）
- NASHと糖尿病との密接な関係に長年注目してきた著者が，NASHとNAFLDと，メタボリックシンドロームとの関係を専門的立場から考察。
- 最新の分子生物学的知見をふまえながら，NASH，NAFLD，メタボリックシンドロームについて解説。
- 難治性といわれる皮膚疾患「乾癬」の完治症例も３例収録。さらに，メタボリックシンドロームと乾癬との関連を検証する。
（本書の構成）
第１章では，肝に関する基本的な知識として，その形態と働きについて解説する。第２章では，非アルコール性脂肪性肝炎と関連性の深い肥満について解説する。ここでは，肥満そのものというよりも，肥満に関係のある種々の疾患とその病態を述べる。第３章では，NASH，NAFLDなどの肝疾患について概説する。第４章では，糖尿病とメタボリックシンドロームとの関連性を検証する前段階として，インスリン抵抗性およびインスリン抵抗性シンドロームについて紹介する。第５章では，メタボリックシンドロームについて概説し，NAFLDとの関連を述べる。第６章では，C型肝炎患者でしばしば合併する２種類の脂肪肝について解説し，それらと肝細胞癌との関連を述べる。第７章では，非アルコール性脂肪性肝炎ないし肝病患の成因を，筆者の著や，多くの諸家の論説をふまえて紹介する。第８章では，NASHおよびNAFLDの治療として，体重減少と薬物治療について取り上げる。第９章では，３症例をあげ，肥満療法としての運動の有効性を解説する。第10章では，肝疾患の治療薬であるウルソデオキシコール酸（UDCA）が効を奏した，皮膚疾患・乾癬の完治例を紹介する。そして，研究論文等ですでに発表されている様々な知見から，乾癬とメタボリックシンドロームとの関連を考察する。
（もくじ）
はじめに
第１章 肝の形と働き
肝細胞／胆管／肝細胞の構成と働き／肝臓の血管系／肝臓の機能／糖代謝／タンパク質代謝／脂質代謝
第２章 肥満について
わが国における肥満傾向／肥満に用いられる体格指数／肥満に関連する主要な疾患
第３章 非アルコール性脂肪性肝炎と非アルコール性脂肪性肝疾患
歴史／病歴／病状／身体所見／検査所見／画像診断／肝の生検／原因不明の肝硬変／肝癌（HCC）
第４章 インスリン抵抗性シンドロームとインスリン抵抗性
歴史／インスリン抵抗性シンドローム（IRS）／インスリン抵抗性に関連する症候群／インスリンの細胞内作用／インスリン抵抗性と脂肪細胞，筋細胞／インスリン抵抗性の評価
第５章 メタボリックシンドロームとNAFLD
メタボリックシンドロームの歴史／現在の動向／メタボリックシンドロームと非アルコール性脂肪肝／定義の評価
第６章 C型肝炎と肝細胞癌
C型肝炎と肝の脂肪化／代謝による脂肪肝／HCVによる脂肪肝／C型肝炎の進展／NAFLDにおけるHCC／NASHとHCC／糖尿病とHCC／肥満とHCC／NAFLDと発癌機構／インスリンと肝癌／インスリン様増殖因子とHCC／脂肪肝と前癌状態／脂肪酸の細胞毒性，PPARの活性と発癌性／症例提示
第７章 非アルコール性肝炎の病因について
脂肪肝／遊離脂肪酸プール／新規脂質生合成／脂肪肝から脂肪性肝炎へ／脂肪性肝炎の成り立ち
第８章 NASHおよびNAFLDの治療
体重減少／薬物治療
第９章 肥満と運動療法
症例1 69歳 男性／症例2 63歳 女性／症例3 59歳 女性
第10章 乾癬は治る
症例／治療について／UDCAと乾癬／乾癬とメタボリックシンドローム
おわりに
（著者紹介）
1925年生まれ。千葉大学医学部卒。
千葉大学医学部第一内科教室に入局，講師を経て埼玉医科大学第三内科教授に就任。同大学名誉教授。
その後，千葉中央メディカルセンターに勤務。
単行著書，『肝障害アルコール・薬物障害例とその病像』（1975），『薬と肝障害』（1996），『NASHとその類縁疾患』（2004）その他，著書・和文英文論文多数。
俳人協会会員（俳名 木津凉太） |
