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消化管癌の画像強調内視鏡 診断と治療
編集●貝瀬 満(虎の門病院 消化器内科 部長・内視鏡部 部長)
2014年10月23日発売
B5判●240頁●全頁カラー
価格:本体8,800円+税
ISBNコード:978-4-287-11206-9
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これまでにないNBI内視鏡観察による消化管癌診断と治療の決定版!

消化器内視鏡学会専門医を目指すレジデント,または新世代画像強調内視鏡システムの導入を検討されている医師にとって,知識・テクニックの補完・向上に役立つおすすめの1冊です。

・全頁カラーで症例写真を豊富に掲載し,通常白色光から画像強調内視鏡を使って拾い上げ診断・質的診断・量的診断を下すまでの「道筋」がわかりやすく学べる
・NBIを中心にBLI,i-scan OEまたは色素などの画像強調内視鏡システムを用いた早期消化管癌の診断テクニックを紹介
・「見逃してはならない所見」「この所見がみえたら○○を疑え」など,通常白色光および画像強調内視鏡を用いた診断の基本とコツを明快に紹介
・内視鏡治療の基本も網羅。日常内視鏡診療にすぐに役立つ
・遠隔地や多忙でなかなか研修に参加できない開業医の方々が知識・テクニックを補完・向上に役立つ1冊

序文

 通常白色光内視鏡による診断能の限界を打開するために,さまざまな画像強調内視鏡が開発されてきた。NBIは腫瘍で増生する血管を容易に判別させ,NBI非拡大観察は表在型咽頭・食道癌の検出能を向上させ,NBI拡大観察は消化管癌の質的診断能を飛躍的に前進させた。更に2013年以降,第二世代NBIであるLucera Elite 290 シリーズ,レーザー光を用いたBLI,そしてi-Scan OEが臨床で使用できるようになり,画像強調内視鏡は新たな段階に入ったといえる。
 しかし,一方で「どうやって画像強調内視鏡を使ってよいのかわからない」,「NBIはあるのだがあまり使われず,宝の持ち腐れとなっている」といった声がしばしば聞こえてくる。また反対に,「若い内視鏡医はとかく画像強調内視鏡や拡大内視鏡診断に頼りすぎて,白色光内視鏡観察がおろそかになっている」という批判も耳にする。
 このような状況を踏まえて,本書を上梓することとなった。内視鏡診療に携わる者に最も求められることは,消化管癌の早期発見と治療である。そこで,咽頭から大腸までの表在・早期消化管癌の内視鏡診断と治療に特化した構成とした。内視鏡の成書は数多く出版されているが,一冊の本で「咽頭を含む全消化管」「白色光内視鏡と画像強調内視鏡・拡大内視鏡」「内視鏡診断と治療」を網羅したものはこれまでになく,本書の大きな特徴となっている。
 本書の対象は,消化器内視鏡学会専門医取得前の研修医や若手の先生から実地臨床の第一線で内視鏡診療に携わる勤務医および開業医の先生方である。咽頭から大腸の臓器毎に,解剖・白色光観察・画像強調内視鏡(非拡大・拡大観察)・内視鏡治療の項目立てにすることで,早期消化管癌の内視鏡診断・治療を系統的に学びやすい形態とした。また,各項目の冒頭に「基本とコツ」を箇条書きで明示することで,筆者の意図が読者に容易に伝わるよう心がけた。
 原稿依頼から半年という短期間で出版にこぎ着けることができたのは,お忙しい中快く執筆を引き受けてくださった諸先生方ならびに虎の門病院 消化器内科の先生方の尽力によるものであり,感謝に止まない。また,軽やかかつ秀逸に読者フレンドリーな校正をして戴いた医学出版編集部長谷川成美氏なくして出版にこぎ着けることはできなかったものである。
 最後に,本書を愛読・活用していただき,読者諸氏によって多くの消化管癌が早期発見・治療され,日本の消化管癌死の減少の一助となれば幸甚である

【目次】
Ⅰ.咽喉頭の内視鏡観察および表在癌診断・治療
Ⅱ.食道の内視鏡観察および表在癌診断・治療
Ⅲ.胃の内視鏡観察および早期癌診断・治療
Ⅳ.十二指腸の内視鏡観察および早期癌診断・治療
Ⅴ.大腸の内視鏡観察および早期癌診断・治療
Ⅵ.新しい画像強調内視鏡の特徴と製品比較