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レジデント1月号 SOLD OUT |
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2008年12月10日発売 ● AB判 価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-81010-1
全ページカラー印刷
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特集●脂質異常症の病態と治療-レジデントのための- |
編集企画/寺本民生 |
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画像をクリックするとサンプル(PDF)をご覧いただけます |
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従来のガイドラインで用いられてきた「高脂血症」という概念は,あくまで動脈硬化性疾患の危険因子として定義されてきた。しかし,この危険因子としては,低HDL-コレステロール(HDL-C)血症も含まれている。このような脂質に起因する危険因子をまとめて「高脂血症」という記載にすると,重要な危険因子である低HDL-C血症を含む表現としては違和感があることは否めず,「脂質異常症」に変更した。この表現は,脂質のみならずレムナントやsmall dense LDLなどのトリグリセライド(TG)に表現されるリポ蛋白異常にも留意することの重要性も含まれることを付け加えておきたい。
冠動脈疾患(CAD)のリスクを純粋に判断する上では,LDL-Cで議論を進めないと実りあるものにならない。そのため,コレステロール値としてはTC値ではなくLDL-C値を用いることとした。また,新ガイドラインでは,脂質管理においてLDL-Cの次に重要な指標としてnon-HDL-Cを挙げている。とくに糖尿病など,TGが上昇しHDL-Cが低下する病態では,non-HDL-Cでみていくのがよいと思われる。
「脂質異常症」の治療においては,単純に脂質異常症に合致するから治療するというのではなく,その患者の危険度を的確に判断し,的確な治療ターゲットを決定する必要がある。当然,CADの二次予防患者や,家族性高コレステロール血症は最も重要な危険因子である。一方,一次予防の患者では,まず生活習慣の改善が前提になることを念頭に置く。とくに,動脈硬化予防のための生活習慣の改善は重要である。その上に立って,必要な患者を的確に選択して薬物療法を考慮するが,それには治療エビデンスが求められる。幸い,脂質異常症の分野では,とくにLDL-Cについてはその治療エビデンスが構築され,わが国においても証明されてきた。
現在は,LDL-Cの治療という完成された治療法に立脚して,次なるターゲットを介して,治療の効率化をはかる時代に突入した感が強い。本特集も,そのような時代の流れを感じ取りながら企画させていただいた。是非とも,明日の臨床に役立てていただければと思う次第である。
寺本民生 (帝京大学医学部内科学講座 主任教授) 日本内科学会理事・日本動脈硬化学会理事
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特集●脂質異常症の病態と治療 -レジデントのための-……編集企画/寺本民生
◆特集にあたって:脂質異常症とは……寺本民生
〔総論〕
1. 脂質異常症と動脈硬化……横出正之
2. 動脈硬化の画像診断……廣 高史・松崎益徳
3. 脂質異常症の発症機序……塚本和久
4. 脂質異常症の診断手順……木下 誠
5. 脂質異常症の診療手順……横手幸太郎
〔各論〕
1. 高LDLコレステロール血症の治療とそのエビデンス……井上奈穂・島田和典・代田浩之
2. 高トリグリセライド血症の治療とそのエビデンス……多田紀夫
3. 低HDLコレステロール血症の治療とそのエビデンス……佐々木 淳
4. 家族性高コレステロール血症はどう治療するのか?……斯波真理子
5. レムナント血症をどう判断し,どう治療するか?……及川眞一
6. Small dense LDLをどう判断し,どう治療するか?……平野 勉
7. non-HDL-コレステロールをどう使うか?……島野 仁
8. 低コレステロール血症をどう考えるか?……横山信治
9. 高HDLコレステロール血症をどう考えるか?……山下静也
10. 脂質異常症の食事療法……丸山千寿子
11. 脂質異常症の運動療法……田中宏暁 |
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■連載
◆患者さんとの接し方
・第6回 患者への話し方を工夫しよう 2 -患者の希望に応えて話をする……星野達夫
◆デキレジ〜聖路加チーフレジデントがあなたをデキるレジデントにします……西崎祐史
・第10回 「急性腎障害(Acute Kidney Injury)の診かた」……監修/岡田 定
・レジ力判定チェックシート
◆法医学教室の窓から
・第10回 徳治か法治か?……岩瀬博太郎
◆プライマリケア医の使命
・第9回 総論その9 紹介した患者を見舞え……大鐘稔彦
◆研修現場でEBMを実践しよう
・第8回 尤度比・ベイズの定理……米田博輝・名郷直樹
◆子供なんてコワくない!子供の診察のコツ
・第10回 眼・耳・鼻……早川 浩
◆医療訴訟事例から学ぶ,研修医に役立つ知識
・第10回 患者が診療を拒否した場合でも,診療録の記載はしっかりと……小林弘幸
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