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レジデント
レジデント6月号 SOLD OUT

2009年5月10日発売 AB判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-81015-6
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特集COPD 今注目される呼吸器疾患
ガイドラインに基づく診断・治療と薬物治療のポイント
編集企画/滝澤 始
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特集 特集 連載 連載
 COPDという言葉が提唱されて数年が経過した。最近は,慢性腎疾患をchronic kidney disease,略してCKDというように,このような略語化は多いようである。はたして一般医の間でどの程度普及し理解されているかは,まだわからない。次々と出現する医学略語にてこずっている方からは,やれやれという声が聞こえてきそうである。にもかかわらず,日本呼吸器学会は,以前「慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)」と呼んでいたものを,今あえてその略語で呼ぶことにした。社会全体の注目度アップと,より早期の診断と治療を目指したのである。世界的にみても,この間にGOLD(global initiative for chronic obstructive lung disease)という国際的なガイドラインが作成され,診断と治療の標準化が推進されたことも大きく与っている。
 COPDはその9割が喫煙に由来し,数10年を経て発症する。その経過はゆっくりと進行性で,呼吸器疾患のなかでも「沈黙の病気」に属する。それだけに,いかに早期から,見逃すことなく診断できるか,いかに禁煙などの日常指導と薬物治療を適切に行うか,専門医だけではなく実地医家の先生方にぜひ知っていただきたい疾患である。
 本特集では以上の背景に基づき,とくにレジデントを中心とした若手医師に,まずわかりにくかったCOPDという病気の考え方を整理し,次に最新のガイドラインに基づいて,いかに診断し治療するかを,具体的にかつ実地の診療の手順に沿って解説していただいた。ベッドサイドや外来の現場において,日常の臨床でご活用いただけるものと思う。
滝澤 始
(帝京大学医学部附属溝口病院 第4内科 教授)
特集COPD 今注目される呼吸器疾患
     ガイドラインに基づく診断・治療と薬物治療のポイント
……編集企画/滝澤 始
◆特集にあたって……滝澤 始
I COPDとはどんな病気か
1. 目でみるCOPD: 形態からみてみよう……岡 輝明
2. COPD:疾患概念の歴史とガイドラインの現状……青柴和徹
3. 最新データからみるCOPDの疫学:どのくらい多い病気なのか?……舘 由貴・栂 博久
4. COPDの病態:最新の考え方……小賀 徹・陳 和夫
II ガイドラインに基づくCOPDの診断
1. COPDをいかに診断するか:見逃さないために……相澤久道
2. 病歴,身体所見からみた診断のポイント……小林 哲
3. 呼吸機能検査・動脈血液ガス検査のポイント……柳澤 悟・一ノ瀬正和
4. 画像診断の意義と限界……長谷川瑞江・酒井文和・木村文子・松尾有香・井上快児
5. COPDの鑑別診断……東本有司
III ガイドラインに基づくCOPDの治療
1. ガイドラインに基づくCOPDの慢性期の治療……永井明日香・桑平一郎
2. 救急の現場で役立つCOPDの急性期の治療……森本泰治・寺本信嗣
IV COPDの薬物治療のポイント
1. 抗コリン薬の使い方……西村浩一
2. β2選択的刺激薬の使い方……山谷睦雄
3. テオフィリンの使い方:実地臨床での位置づけ……友田恒一・木村 弘
4. ステロイド薬:吸入薬および経口薬,いつ,どのように使うか……田中裕士
V COPDの非薬物療法
1. 生活指導およびリハビリテーション……赤柴恒人
2. 在宅酸素療法,在宅人工呼吸療法のコツ:いつ,どのように行うか?……村田 朗

連載
デキレジ〜聖路加チーフレジデントがあなたをデキるレジデントにします……津川友介
  ・第15回 「貧血をみたらReticulocyteとMCVに注目する!」……監修/岡田 定
  ・レジ力判定チェックシート
主要徴候別ER診療の実際
  ・第3回 腹痛……西川順一・三宅康史
患者さんとの接し方
  ・第11回 患者への話し方を工夫しよう7
   -検査リスクの説明,患者への共感が大切……星野達夫
研修現場でEBMを実践しよう
  ・第13回 ランダム化比較試験を読む(ITT解析/二重盲検)
   -3分で 論文読める EBM-……野澤広子・野澤つばさ・名郷直樹
はじめての症候診断〜臨床決断のセンスを磨こう〜
  ・第2回 患者入室時から鑑別診断は始まっている!……前野哲博
子供なんてコワくない!子供の診察のコツ
  ・第15回 アレルギーがある(2)……早川 浩
基本臨床手技
  ・第3回 注射法……寺島裕夫