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レジデント
レジデント1月号 SOLD OUT

2009年12月10日発売 AB判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-81022-4
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特集女性特有の救急医療-プライマリケア
編集企画/吉村泰典
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特集 特集 連載 連載
 女性の救急患者に接するとき,産婦人科疾患を常に念頭に置かなければならない.産婦人科医療は次世代に向けた未来志向型の医療であると同時に,女性の生涯を通じてその健康に奉仕する総合的支援型医療として,きわめて広い医療領域を有している.しかも,産婦人科領域では分娩をはじめとし,救急に対処せねばならない疾患が多く,とくに産科においては,妊娠の初期から分娩に至るまで,いつの時期においても救急対応が必要となる.妊娠経過中の出血や下腹痛,分娩時の対応などの産科的疾患以外にも,婦人科救急においては急性腹症を呈することが多く,放置しておけば致命的になることもある.救急患者に接したとき最も大切なことは,初期の正確で迅速な診断と適切な処置である.
女性の診療に際しては月経歴と妊娠歴を聴取することが大切となる.とくに,性成熟期にある女性においては常に妊娠の可能性を念頭に入れ,診療にあたらねばならない.妊娠中や産褥期に禁忌である検査,あるいは避けたほうがよい検査,使用禁忌である薬剤などの理解はプライマリケア上きわめて重要である.婦人科手術の際には,術中のアクシデントや術後の合併症に対しても迅速な対応が要求される.さらに小児,思春期の女性の婦人科救急においては性的虐待も含め,現症,既往歴や全身的診察が重要となる.研修医にとっては入院診療のみならず,プライマリケアや総合診療が大切であり,そのためには外来診療は必須である.そのなかでは高度な医療知識とコミュニケーション能力,判断力,豊富な経験が要求されることになる.
本特集では女性特有の救急疾患について主たる症状ごとの診断と治療のポイントについて,平明に解説いただいた.女性の患者が救急外来を訪れる際の頻度の高い症状を取り上げ,診療にあたって臨床研修医としてどのような疾患を考え,まずどのように対処すべきか,さらにはピットフォールや治療に伴うリスクについても言及していただいた.医療現場に常に要求されていることは緊急対応の必要性を見極めることである.産婦人科を志す研修医のみならず,他の診療科を目指す研修医にとっても,本特集が明日からの実地臨床に役立てば幸いである.
吉村泰典
(慶應義塾大学医学部 産婦人科学教室 教授)

特集女性特有の救急医療-プライマリケア……編集企画/吉村泰典
特集にあたって……吉村泰典
I. 産科領域
1. 多量出血があったら……岩下光利
2. 意識障害となったら……池ノ上 克
3. 痙攣があったら……北川道弘
4. 呼吸困難を訴えたら……岡井 崇
5. 下腹部痛を訴えたら……藤森敬也
6. 肝機能障害が疑われたら……齊藤 滋
II.婦人科領域
1. 不正性器出血があったら……和氣徳夫
2. 過多月経を訴えたら……平松祐司
3. 月経困難症が疑われたら……星合 昊
4. 胸水・腹水貯留があったら……岡田智志
5. 骨盤内感染症が疑われたら……片渕秀隆
6. 婦人科手術後の合併症があったら……小西郁生
7. 術後感染症が疑われたら……櫻木範明


連載
◆デキレジ〜聖路加チーフレジデントがあなたをデキるレジデントにします
……津川友介
  ・第22回 「透析入門 」
       〜血液透析患者への苦手意識を払拭しよう!〜……監修/岡田 定
  ・レジ力判定チェックシート
◆主要徴候別ER診療の実際
  ・第10回 小児救急……森田孝次・三宅康史
◆患者さんとの接し方
  ・第18回 患者への話し方を工夫しよう13
       -患者の不安を取り除くことを最優先に……星野達夫
◆研修現場でEBMを実践しよう
  ・第19回 症例対照研究……横田修一・南郷栄秀・名郷直樹
◆基本臨床手技
  ・第9回 皮膚縫合……寺島裕夫