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レジデント
レジデント2月号 SOLD OUT

2010年1月12日発売 AB判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-81023-1
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特集循環器内科の分野で使われる画像診断
編集企画/小室一成
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特集 特集 連載 連載
 今回は「循環器内科の分野で使われる画像診断」を特集した.循環器疾患領域は再生医療,新しい新薬などの発展により,近年著しく進歩している領域である.新しいエビデンスも毎年多く発表されているが,それらの理解には,従来の循環器診断学の基礎となる胸部X線,心エコー,侵襲的冠動脈造影,核医学に加えて,近年進歩著しいCT,MRI,血管内エコー,血管内視鏡などの正確かつ最新の理解が必要である.具体的には,ここ数年で臨床レベルでは,CTは64列から256,320列のさらなる多列化や高解像度CTや二管球CTへ,MRIも1.5テスラから3テスラへの時代に移行が始まっている.さらに10テスラ前後の超高磁場MRI装置の開発と,動物実験レベルであるが鉄造影剤を用いて炎症部位に集積する貪食細胞(マクロファージ)を描出するMolecular imagingの組み合わせによる冠動脈プラークなどの組織性状診断の開発も進行している.循環器内科医としては,これらを組み合わせて,循環器領域での形態診断ばかりでなく,代謝診断,機能診断を総合的に行わなくてはならない.
 また一般臨床では,放射線や造影剤などを使用するCT,侵襲的冠動脈造影,核医学などでは適応を慎重にすべきという意見がある一方で,これらの診断機器を使用し,積極的に治療に介入することで,放射線被ばくを考慮しても,患者の予後は改善するとの報告も出てきた.つまり最新の画像診断機器に対して,医師が適切な対象を選択し,診断結果を有効に利用することで,患者に対してより質の高い医療を提供できると考える.
 そこで今回の特集では各分野の専門の先生にこれらの医療機器の飛躍的進歩の要点,正確な使用法,これらを使用した科学的なエビデンス,これらの検査施行の注意点,および今後の見通しを詳細に述べていただいた.本特集を通じて明日の医療を担うレジデントの先生方に,循環器内科の診断学への理解とともに循環器領域に興味を持っていただき,今後より一層の進歩に協力していただけると幸いである.
小室一成
(千葉大学大学院医学研究院 循環病態医科学 教授,
大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学 教授(兼任))

特集循環器内科の分野で使われる画像診断……編集企画/小室一成
特集にあたって……小室一成
1. X線でどこまで診断できるか……川名正敏
2. 心エコー
 1)心臓の収縮機能,拡張機能はどのように評価するか……中谷 敏
 2)虚血性心疾患の評価はどうするか ……山本一博
 3)経食道エコーはどのようなときに行うか……渡邊弘之
3. 頸動脈エコーの取り方と有用性……松尾 汎
4. 血管内エコーによりなにがわかるか……小宮山伸之
5. 冠動脈造影-レジデントはどこまで知っておくべきか……南都伸介
6. 冠動脈内視鏡でプラークはどうみえるか……水野杏一
7. CT
 1)どこまで冠動脈の評価ができるか……栗林幸夫
 2)新世代CTでなにが変わるか……船橋伸偵
8. 心臓MRIはどのようなときに撮るのか……大西勝也
9. 核医学
 1)心筋血流SPECTはどのように役立つか……山崎純一
 2)心筋代謝からなにがわかるか……廣江道昭


連載
◆主要徴候別ER診療の実際
  ・第11回 痙攣……豊田 泉・三宅康史
◆患者さんとの接し方
  ・第19回 患者への話し方を工夫しよう14
       -先入観に注意……星野達夫
◆デキレジ〜聖路加チーフレジデントがあなたをデキるレジデントにします……西崎祐史
  ・第23回 「Microsoft Office ExcelでeGFRグラフを作成し透析導入日を予測する!」
        ……監修/岡田 定
  ・レジ力判定チェックシート
◆基本臨床手技
  ・第10回 手術準備操作1 手洗い,ガウンテクニック,手袋装着……寺島裕夫
◆研修現場でEBMを実践しよう
  ・第20回 コホート研究……弘田義人・南郷栄秀・名郷直樹
◆はじめての症候診断〜臨床決断のセンスを磨こう〜
  ・第8回 めまい診断のセンスをブラッシュアップ……前野哲博