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月刊レジデント10年10月号
レジデント12月号 SOLD OUT

2010年11月10日発売 AB判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-81033-0
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特集ERやICUで必要な薬の「生きた」使い方
編集企画/ 堀 進悟
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特集 特集 連載 連載
 ERでは重症・軽症を含めて救急患者の診療を行うが,その特徴は最終診断がつかない状態で診療していることである.したがって,診断確定の前に対症的に緊急薬剤を使うことが普通である.その例としてショックでは,いたずらに薬剤に頼らず容量負荷によりバイタルを保ちつつ,あるいは積極的に昇圧薬を使用して,CTなどの画像検査を進めることになる.つまり全体の流れの中で薬剤投与の出番を判断して使うわけである.
 薬剤は救急診療の強力な武器ではあるが,それだけに副作用や禁忌も知っておかなければならない.ERやICUでよかれと思って薬剤を投与しても悪い方向に作用することがある.私自身の経験では,頭部挫創の患者の処置にキシロカイン(R)麻酔をして縫合するようにレジデントに指示した折,患者が心肺停止(無脈性電気活動:PEA)となったが,すぐに蘇生処置を行ってことなきをえた場合があった.この例では,薬剤を投与する際に血管内に薬剤が投与された可能性があった.ERでは予想もつかない恐ろしいことが起こる.患者の状態をよくしようと意図しても,生きた勉強をしていないと裏目に出ることがあるのである.
 本特集では通常の緊急薬剤特集とは異なり,まず病態を設定して,それに対してどのように緊急薬剤を使っているかをベテランの医師に解説いただく.レジデントの皆さんに生きた薬剤の使い方を知ってほしいと思う.
堀 進悟
(慶應義塾大学医学部 救急医学 教授)
特集ERやICUで必要な薬の「生きた」使い方……企画編集/堀 進悟
特集にあたって……堀 進悟
1. 昇圧薬……本多英喜
2. 降圧薬……森下由香
3. 不整脈……笹尾健一郎
4. 抗菌薬……田熊清継
5. ステロイド……太田 凡
6. 電解質異常……輿水健治 他
7. 脳圧亢進……永山正雄 他
8. 消化管出血……林 峰栄
9. 吐気・嘔吐……中森知毅
10. 鎮痛薬・麻薬……木村昭夫 他
11. 中毒……芳賀佳之
12. 鎮静方法……宮武 諭

連載
◆主要徴候別ER診療の実際

  ・第21回 骨折と脱臼……土居通忠 ・三宅康史
◆ヤバレジ〜だれもが最初はヤバレジだった〜……監修/岡田 定
  ・第9回 便通異常入門〜今日から君も排便スペシャリスト ……小林大輝
  ・ヤバレジ脱出チェックシート
◆患者さんとの接し方
  ・第28回がん病名の伝達?A
   -前準備と共感が大切……星野達夫
◆基本臨床手技
  ・第19回 腰椎穿刺……寺島裕夫