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月刊レジデント11年4月号
レジデント4月号 SOLD OUT

2011年2月10日発売 AB判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-81037-8
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特集"根拠に基づく"病歴聴取と身体診察
企画編集/ 松村理司
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特集 特集 連載 連載
 EBMが米国で華々しく登場して約20年が経つ。診断推論の分野で熟読に値し,しかもEBMの手法に則った教科書が近年陸続と出版されている。病歴に関しては,『THE PATIENT HISTORY:Evidence-Based Approach』が,診断推論の全過程を丹念に追った入門書としては『Symptom to Diagnosis:An Evidence-Based Guide(2nd ed)』が,身体所見の操作特性については『Evidence-Based Physical Diagnosis(2nd ed)』と『JAMA evidence THE RATIONAL CLINICAL EXAMINATION: Evidence-Based Clinical Diagnosis』があり,座右の書にしたい。
 さて,日本では,2004年に始まった新医師臨床研修制度(以下,新制度と略)は,卒後2年間の初期研修医のほぼ全員を対象とするものであったが,最近思わぬ横槍が入ることになった。医師派遣機能の弱体化に困り切った大学医局が,新制度の'弾力化'を打ち出したのである。すなわち,2年間の研修義務年限が実質的に1年間に短縮され,2年目は将来の専門性の方向に舵を切る風が吹き荒れだした。近年の地域医療崩壊・病院崩壊にはかなり複数の要因が絡んでいるのに,新制度のみをあげつらうのは思考の短絡である。
 ともあれ,この新制度下での達成度は,幅広い臨床能力の獲得という点や,地域病院と大学病院の研修内容の近似化という点では比較的満足のいくものであったとされる。では,「病歴と身体所見("H & P")を重視する診断推論」はどうであったか。"H & P"に最近のエビデンスは参照されていたか。こういった点を謙虚に内省すると,日本の現場での研修実態はまだまだ未熟であることに気づかされる。
 こういった卒後研修の現状を踏まえて,今回の特集は,「病歴と身体所見を重視する診断推論」を取り上げる。エビデンスの有無や意義にもなるべく配慮を払った記述を期待したい。
松村理司
(洛和会音羽病院 院長)
特集"根拠に基づく"病歴聴取と身体診察
………………………………………………………………………企画編集/松村理司
目 次
1. 患者の言葉から診断仮設をどう作るか……野口善令
2. バイタルサインでここまでわかる!……徳田安春
3. 身体所見を重視する教育回診……宮城征四郎
4. SpPinな身体所見……須藤 博
5. 救急医療の立場から……山中克郎
6. 感染症診療の立場から……岩田健太郎
7. 卒前教育の現場から……錦織 宏
8. 卒後臨床研修の現場から……川島篤志
9. 総合診療研修の現場から……上田剛士
10. 日本における診断推論の体得と診療現場への浸透……竹本 毅
11. (日本発)エビデンスの作成……徳田安春
12. エビデンスの意義……名郷直樹
13. ジェネラリストに学ぶ診断推論……福岡敏雄

連載
◆主要徴候別ER診療の実際
……企画・司会/三宅康史
  ・第25回 中毒……小島直樹
◆ヤバレジ〜だれもが最初はヤバレジだった〜……監修/岡田 定
  ・第13回 意識障害入門
   〜頭の中をブラッシュアップ〜 
  ・ヤバレジ脱出チェックシート……小林大輝
◆患者さんとの接し方
  ・第32話 わたしのがん告知事始……星野達夫
◆基本臨床手技
  ・第23回 気道確保と人工呼吸……寺島裕夫