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月刊レジデント14年1月号
レジデント5月号 SOLD OUT
15年4月10日発売
AB判128頁
価格:本体¥2,000+税
ISBNコード:978-4-287-81086-6
全ページカラー印刷
特集入院患者が急変したら
企画編集/内藤貴基・則末泰博
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 「先生,急変です.すぐに来てください!」
 看護師さんがそう叫ぶのを聞いたとき,あなたはどんな思いを抱くだろうか?
 テレビドラマではかっこいい医師が劇的な治療を展開し,無事に患者さんが助かる,そんな場面がよく描かれる.そこに映る医師は自信にあふれており,ヒーローのようで,そんな劇的な現場に憧れているレジデントの先生も多いのではないだろうか.なかには怖くて看護師さんに見つからないように逃げたくなるレジデントの先生もいるかもしれない.その気持ちも痛いほどよくわかる.自分には手に負えないような重症の患者さんの前にたたずむことの絶望感は,医師としてのキャリアを変えかねないほどの重いものである.
 院内急変に対応するということは,目の前の患者さん,そしてその周りの人々,時としてその主治医である同僚からの期待が私たちの背中に注がれ,それが大きな責任となって私たちにのしかかる.当直医が充実していない日本の現状では,そう遠くないうちに皆さんが急変対応にあたることになる.
 では,そんなときに落ち着いて対応できるようになるにはどうすればよいだろうか.残念ながら一朝一夕では無理である.知識と経験,そして過去の失敗から得られる教訓を総動員して,私たちは対応しなければならない.「ローマは一日にしてならず」,私たちはその大きな一歩を踏み出さなければならない.本書はそんな一歩を踏み出すレジデントの先生たちのための一冊である.
 今回の特集では「入院患者が急変したら」という題で,できるだけシンプルでわかりやすいことを大切にして構成してある.ぜひ本書で,皆さんの頭の中の整理タンスを作ってほしい.全体像を俯瞰し,どのようなものかを掴むため,細かいことは後回しにして,まず読んでほしい.途中で気になったからといって,『ハリソン内科学』なんて開いてはいけない.そして本書で頭の中の整理タンスができたら,今度はその引き出しの中に詳しい知識とこれから得る経験をどんどん詰め込んで,ますます素敵な医師になってほしいと願っている.
 決して一人で急変対応ができることがゴールではない.院内急変にかかわらず,私たちは一人では医療ができない.どのタイミングで,誰を呼ぶべきなのか,それまで何をしたらよいのか,という視点を大切にしてほしい.
 本特集が皆さんの一助となり,皆さんがこれからかかわる多くの患者さんがよりよい医療を受けることができたら,執筆者一同,本当に幸せなことだと思っている.
内藤貴基
(東京ベイ・浦安市川医療センター 集中治療科 プログラムディレクター)
則末泰博
(東京ベイ・浦安市川医療センター 呼吸器内科・集中治療科 部長)
特集入院患者が急変したら
1. 心停止時の対応:「先生,脈が触れません」/坂井正弘・若竹春明
2. 血圧低下:「先生,血圧が76/40 です」/北野夕佳
3. 意識障害:「先生,患者さんが呼びかけても起きません」/鈴木秀鷹・五十野博基
4. 呼吸困難:「先生,SpO2 がリザーバ付きマスク10 L/ 分でも88%です」/濱田 治
5. 頻脈・徐脈:「先生,脈拍が152 回/ 分で意識がボーッとしています」/澤村匡史
6. けいれん:「先生,患者さんがけいれんしています」/井林賢志
7. 胸痛:「先生,10 分ほど前から患者さんが胸痛を訴えています」/福井 悠
8. 吐下血:「先生,患者さんが血を吐いています」/森 浩介
9. 高血圧:「先生,血圧が200/130 と高いです」/山田悠史
10. せん妄:「先生,患者さんが暴れています」/楳川紗理
急変対応システム/津久田純平
コードステータスについて知っておいてほしいこと/内藤貴基



連載
◆患者さんとの接し方
 ・第81話 患者さんとの接し方と診療用コンピューターソフト−海外のテレビドラマより……星野達夫
◆みるみるわかる心血管のはなし
 ・第2回 腹痛なのに血管の病気とは………田宮栄治・村川裕二
ピンチの研修医………編集/岡田 定
 ・第8回 栄養療法………北田彩子
◆Toxicovigilance−毒を診る−……監修/水谷太郎
 ・第22回 除染とは?………阿部智一
◆慶應循環器内科カンファレンス………監修/福田恵一
 ・第42回 エビデンスの狭間から〜心房細動抗凝固の判断から狭心症の治療まで〜……香坂 俊