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月刊レジデント14年1月号
レジデント9月号 SOLD OUT
15年8月10日発売
AB判128頁
価格:本体¥2,000+税
ISBNコード:978-4-287-81090-3
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特集国立がん研究センター中央病院の指導医が伝える
がん診療のいろは
企画編集/堀之内秀仁
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 平成25年のがん死亡数は,男性:21万6975人,女性:14万7897人であり,心臓病,脳卒中,肺炎を大幅に上回っている(平成25年人口動態統計,厚生労働省).この傾向は日本だけにとどまらず,アジア圏,北米圏,EU圏など先進国に共通した課題であり,がんはいつのまにか“common disease”の1つと数えてもおかしくないほどの位置を占めているのである.
 近年,がんのスクリーニング・治療・ケアは目覚ましい進歩を遂げており,映画,テレビ,書籍などのメディアが伝える暗いイメージとは大きく異なる展開を示している分野が格段に増えてきている.その一方で,がん種ごと,病期ごと,治療方法ごとに細分化,各種ガイドラインが示された治療方法は,初学者,初めてがん患者に接する医師には複雑で,全体像やポイントを把握することが難しいという話もよく耳にする.そのようなニーズに応えるため,今回の特集号では,“common disease”であるがん患者を担当したレジデント,医学生のみなさんが,そのスクリーニング・治療・ケアを実践し,さらには将来の専門医を目指す際に必要となる,基本的な知識と技術を伝えることを目的としている.
 目次や各章の内容を読んでいただければおわかりのように,がん診療では,外科医による手術,腫瘍内科医による抗がん薬治療,放射線治療医による放射線治療,緩和ケア医による症状緩和ケア,医療ソーシャルワーカーによる相談支援,専門・認定を有する看護師や薬剤師の関与など,多分野にわたる専門家と医療者が協力して患者を支えるチーム医療が重要視されている.つまり,本誌をたまたま手に取った方が,自身の志向や考えている将来の進路と照らしあわせて,みずからの専門性を活かして関与することができる間口の広い領域が,がん医療ともいえる.
 執筆を担当した国立がん研究センター中央病院の医師たちは,各がん種を主に担当してはいるが,みんな腫瘍内科医であり,がん医療を俯瞰して外科治療,内科治療,放射線治療,緩和ケア治療,そして相談支援を,適切なタイミング,適切なかたちで患者に提供する役割を担っている.その腫瘍内科医が,指導医として国立がん研究センター中央病院のレジデントに指導している内容のエッセンスが,この企画につまっている.
 本特集を通じて,1人でも多くの若い医師,医学生のみなさんに,がん診療のいろはを学んでいただき,さらにはがんの総合医である腫瘍内科医を目指すきっかけの1つになれば幸いである.
堀之内秀仁
(国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科 医長/ 医療連携室 室長/
人材育成センター 副センター長/ 専門教育企画室 室長)
特集国立がん研究センター中央病院の指導医が伝えるがん診療のいろは
1. がんを疑う症状,徴候/特別寄稿 徳田安春
2. がんのスクリーニング/堀之内秀仁
3. 乳がん/公平 誠
4. 胃がん/岩佐 悟 他
5. 肺がん/堀之内秀仁
6. 膵がん/坂本康成 他
7. 大腸がん/岩佐 悟 他
8. リンパ腫/丸山 大 他
9. がんに伴う症状の緩和/里見絵理子 他
10. がん治療の支持療法/堀之内秀仁
11. がんの相談支援のポイント/宮田佳代子
12. がんの臨床試験,研究の基本/中村健一 他
13. がんの専門医の目指し方,活躍の道/堀之内秀仁


連載
◆Toxicovigilance−毒を診る−……監修/水谷太郎
 ・第26回 入院患者が下痢しました………阿部智一
◆患者さんとの接し方
 ・第85話 しあわせと診療用コンピューター……星野達夫
ピンチの研修医………編集/岡田 定
 ・第12回 海外帰りの発熱………北田彩子
◆みるみるわかる心血管のはなし
 ・第6回 初めて静注抗不整脈薬を使う時→ワソランの静注を逐一説明………田宮栄治・村川裕二
◆慶應循環器内科カンファレンス………監修/福田恵一
 ・第46回 慢性右心不全と血栓症の原因となる右室構造以上について−並走する2つの右室……片岡雅晴