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月刊レジデント14年1月号
レジデント10月号 SOLD OUT
15年9月10日発売
AB判128頁
価格:本体¥2,000+税
ISBNコード:978-4-287-81091-0
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特集身につけておきたい人工呼吸管理の基本
企画編集/氏家良人
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 今から40年ほど前,ICUにおける人工呼吸は死に逝く人に対するセレモニーのような時代があった.しかし,いまや人工呼吸はICUだけでなく在宅でも行われるようになった.気管挿管や気管切開をせずにマスクでも行われることも一般的となってきた.また,少し前まで人工呼吸は深い鎮静下に行ってきたが,いまや,ICUにおいても患者は人工呼吸を受けながらテレビを見て,リハビリテーションを行い歩行訓練をする時代となってきた.人工呼吸は病気や外傷を治す方法ではないが,治るまでの間,患者を支えつづける基本的な医療技術である.
 “呼吸管理は患者管理の1丁目1番地”であると筆者は思っている.重症患者における呼吸管理は,生命維持のために最も優先される基本的な管理であり頻度も高い.呼吸不全はもちろんのことであるが,ショック,意識障害,重症外傷なども呼吸管理で生命を維持することで次の治療が始まる.呼吸管理なくして次の治療は意味を持たないのである.
 とくに,重症患者に対する人工呼吸管理の基本は初期研修医や後期研修医の皆さん,また医学生が,知識として,また技術として身につけておくべきものである.
 これらのなかには,呼吸不全の評価,酸素療法,機械的人工呼吸,非侵襲的人工呼吸,さらには体位変換療法や理学療法,膜型人工肺(extracorporeal membraneoxygenation;EMCO),人工呼吸器関連肺炎(ventilatorassociated pneumonia;VAP)対策,人工呼吸管理中の鎮静,なども含まれる.
 本特集の構成は,第Ⅰ章で「人工呼吸管理のための基本的知識」,第Ⅱ章では「人工呼吸管理の実践に役立つ具体的な処置・管理法」,さらに第Ⅲ章では「人工呼吸中の全身管理」について,第一線の臨床医に書いてもらうこととした.
氏家良人
(川崎医科大学 救急総合診療医学 特任教授/日本集中治療医学会 理事長)
特集身につけておきたい人工呼吸管理の基本
Ⅰ. 人工呼吸管理の基礎
1. 呼吸の生理と呼吸不全の病態生理/氏家良人
2. 血液ガス分析と呼吸不全/湯本哲也
Ⅱ. 酸素療法と人工呼吸管理
1. 酸素療法と用手換気/高橋治郎
2. 非侵襲的陽圧換気/松尾瑞恵
3. 気道確保と気道管理/佐藤圭路
4. 人工呼吸器とその基本的設定/林 久美子 他
5. 各種換気モードと適応/梅井菜央
6. 特殊な人工呼吸− ECMO −/市場晋吾
7. 人工呼吸中のモニタリングとウィニング/藤田 智 他
Ⅲ. 人工呼吸中の全身管理
1. VAP と人工呼吸中の感染対策/クナウプ絵美里
2. 人工呼吸中の鎮静/平山敬浩
3. 人工呼吸中の理学療法(リハビリテーション),体位変換療法/小幡賢吾 他



連載
◆Toxicovigilance−毒を診る−……監修/水谷太郎
 ・第27回 トキシドロームはどっち向き?………阿部智一
◆患者さんとの接し方
 ・第86話 医師とコミュニケーションセンス……星野達夫
ピンチの研修医………編集/岡田 定
 ・第13回 SpO2低下〜呼吸不全と酸素投与の基本。リザーバーマスクは低流量?! 〜………松尾貴公
◆みるみるわかる心血管のはなし
 ・第7回 カリウムイオンと心電図→検査値の見方と考え方,心電図への影響,調律への影響………田宮栄治・村川裕二
◆慶應循環器内科カンファレンス………監修/福田恵一
 ・第47回 右室流出路起源の心室期外収縮にカテーテルアブレーションを行った1例……相澤義泰