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レジデント4月号
AB判96頁
価格:本体¥2,273+税10%
ISBNコード:978-4-287-81126-9
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特集レジデントのための救急外来で出会う精神症状とその対処
企画編集/日野耕介
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 救急外来で診療を行っていると,精神症状を伴う症例に対応する機会が多いことに気づくと思う.「からだ」の救急状態に「こころ」の症状が伴っていることもあれば,その逆の場合もある.あるいは,救急外来ではそれらが明確に分けられない場合も少なくない.よく考えてみれば,身体の調子が悪いときは気分もイマイチに感じるし,気分が乗らないときには身体も重く感じる……なんてことは誰もが経験することだ.実際には「こころ」と「からだ」は密接に関連していると言えるだろう.
 筆者は大学病院で,医学生や初期臨床研修医の教育に関わってきたが,「精神科医にならない人ほど,早いうちに最低限の精神症状への対応スキルを身に着けておいたほうがよい」と伝えてきた.将来皆さんが特定の専門科領域に進んだあとに,精神症状への対応に難渋し,専門性を発揮できないことはとてももったいないことだと思うし,何よりも患者さんにとってデメリットが大きいからだ.
 本特集も「精神科医にならなくても身に着けておいてほしいこと」を中心に学んでもらえればと考えている.そのため,精神科病棟や精神科外来で出会う場面というよりは,救急外来や一般病棟で出会う場面を想定して,企画を作成してみた.執筆者の多くは,精神科医療と救急・災害医療,両方のフィールドの経験を持つ,もしくは現在もその最前線で活躍されている先生方である.それに加えて,特定のテーマに関しては,その分野の専門家や研究者に執筆をお願いした.救急外来を受診した精神症状を伴う症例に対し,どのように評価や鑑別を行い,どのように対応するのが望ましいのかを解説してもらう.また,今回の特集では,「適切に精神科へコンサルテーションができること」も大きな目標のひとつとした.そのため,各項で呈示した症例を精神科に紹介する際の,具体的なプレゼンテーション例も掲載しているため,ぜひ日々の診療の参考としてほしい.
 さらに今回は,救急医療領域で活躍してきた,救急救命士,リエゾンナース,臨床心理士,精神保健福祉士にコラムを執筆してもらった.現在医療の様々な領域で多職種連携やチーム医療の重要性が強調されているが,救急領域における精神症状対応もまさにその領域にあたる.救急救命士がどんなことを考えながら傷病者を病院まで搬送し,私たちにバトンを渡しているのか.精神科領域を専門とする医療スタッフがどんなスキルを持っていて,どんなときに頼れるのか.これらのことを知り,適切な多職種連携を実践していくことは,私たち医師の負担軽減にもなるし,何よりも患者さんにとって大いに役立つことだろう.
 「こころ」と「からだ」がひとつのものであることを意識して,チーム医療を実践する.将来,皆さんがそんな医師として活躍されることを大いに期待する.
日野耕介
(横浜市立大学附属 市民総合医療センター 精神医療センター 助教)
特集レジデントのための救急外来で出会う精神症状とその対処
1. 救急外来で不眠を訴える症例/五明佐也香
2. 薬物過量内服やリストカットを繰り返す症例/川原庸子
3. がん患者の院内自殺企図予防/井上佳祐
4. 興奮状態を呈している症例/橋本 聡・山下建昭
5. 食事がとれず,危機的な状態となり来院した症例/新井久稔
6. 意識障害を呈しているようにみえる症例/兼久雅之
7. 身体症状を訴えるが器質的な原因が特定できない症例/井上朋子
8. 健康状態に影響しているにも関わらず飲酒習慣を続けている症例/黒澤文貴
9. 急に物忘れがひどくなったと家族が訴える症例/近藤大三
10. 災害医療における精神症状への対応/河嶌 讓・池田美樹

連載
◆慶應循環器内科カンファレンス
 ・第76回 ST上昇型急性心筋梗塞治療後に至適薬物療法で狭心症状が緩和されないコントロール不良な症例の残存病変に対する経皮的冠動脈インターベンションを施行した一例……湯浅慎介・監修●福田恵一