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月刊糖尿病 134号
レジデント第135号

AB判112頁
定価2,500円(本体2,273円+税10%)
ISBNコード:978-4-287-81135-1
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特集眼科医を目指そう!よく遭遇する眼疾患
〜主訴と全身疾患も考えて診断しよう〜

企画編集/相原 一
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 レジデントは多くの科を回ると思うが,眼科は診断機器が特殊であり,独立していることはご存じであろう.そのため,その専門的な機器を用いないと眼科疾患はわからないと考えがちである.しかし決してそうではなく,どの診療科,どのような診療形態でも,多くの眼疾患を抱えた患者は目の前にいるし,患者の声に耳を傾ければ,さまざまな全身疾患に関係した眼疾患や,重篤な眼疾患を見いだすことが可能である.視機能低下は,視力が衰えれば主訴として患者から積極的に受診をするが,視野欠損は意外と気がつかないまま過ごして進行して初めて訴えが出ることが多い.視野のスクリーニングは普及していないため,また,とくに緑内障はほとんど末期まで自覚がなく受診する機会がないため,残念ながら失明原因第1 位,40 歳以上有病率5%である.白内障は加齢によるものがほとんどで手術により回復もするので日本では問題ではないが,白内障の主訴である視力低下や霧視については他の疾患の可能性も高い.また,視機能低下は,ロコモ,フレイルといった状態に結びつきやすく,認知症を進行させることにもなり,介護に至る状況を作り出す.レジデント生活での診療において,ちょっとした知識で患者を正しい診断治療に結びつけ,視機能低下の進行抑制,ひいては患者のQOLの低下抑制,回復が可能になるのである.
 本特集ではレジデントが外来でよく耳にする主訴に対して鑑別診断を含めて重要な疾患を解説する.充血,霧視,複視,流涙,眼痛といったいずれもよく耳にする訴えにいろいろな疾患が隠れているのだ.また直接眼を診なくても救急や全身疾患から予想できる眼疾患もぜひマスターしてほしいと考え,頻度の高い緑内障の二大病型,ヘルペスの感染症,ステロイド内服や塗布による疾患,糖尿病網膜症,さらに加齢黄斑変性症と全身疾患との関連も多いぶどう膜炎についても解説する.緑内障と糖尿病網膜症,加齢黄斑変性症は日本の中途失明原因の第1,2,4位を占める.緑内障など診断機器がないとわかりにくいが,急性緑内障発作はよく救急外来で遭遇するし,薬物投与時に注意すべき緑内障病型もある.まず全身疾患も含めて患者を広い視点でみることが基本であり,それに役立つ眼疾患の知識を身につけよう.本特集が,先生方の明日からの診療の役に立てるよう,大いに期待している.


相原 一
(東京大学 医学部 眼科学教室 教授)

特集眼科医を目指そう!よく遭遇する眼疾患〜主訴と全身疾患も考えて診断しよう〜
1.目が赤い!/佐々木香る
2.だんだん霞んできた!/喜田照代
3.急にものが2つに見える!/澤村裕正
4.涙が出る,眼が痛い!/内野裕一
5.開放隅角緑内障/齋藤 瞳
6.閉塞隅角緑内障/笠原正行
7.ヘルペスウイルスによる眼感染症/鈴木 崇
8.ステロイド関連眼疾患/亀田隆範
9.糖尿病網膜症/高村佳弘
10.加齢黄斑変性/森隆三郎
11.全身症状を伴う代表的なぶどう膜炎疾患/田中理恵