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物理生化学 |
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Kensal E. van Holde 他 著
東京大学教授 田之倉優 他 訳 |
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A5判/816頁 価格:本体6,980円+税
ISBNコード:4-7578-0403-2 |
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本書は,K. E. Van Holde他著『Principles of Physical Biochemistry』の全訳である。前著『Physical Biochemistry』の基本構成を引き継ぐもので,実質的には第三版といってよい。本原著において新たに加わったW. C. Johnsonは分光学専攻,Shing HoはX線結晶学専攻で,三人とも米国オレゴン州立大学の教授である。K. E. Van Holdeはクロマチン研究と超遠心分析の発展に貢献したことで著名で,現在もJournal of Biological Chemistry のエディターとして活躍している。旧著と異なるのは,X線結晶構造解析とNMRへの入門となる章が加えられ,さらに分光学,X線結晶学に必要な分子の対称性の概念を学ぶために,第1章で対称性を定量的に表現する方法について解説されていることである。他の章も前著以降の発展をふまえて,新しい実験手法や結果が盛り込まれている。
オレゴン州立大学では本書は学部3,4年生の生物物理学の教科書として使われており,また外部から大学院に進学した学生は,大学院でもこのコースが履修可能になっている。従って,蛋白質,核酸など生体高分子の入門程度の基礎知識と,微分,積分,簡単な行列演算など数学の基礎知識が前提とされているが,式の導出は丁寧に説明されているので,高校の数学を理解していればそれほど理解に困難はないだろう。
本書の特長
本書の特長は,常に実験を念頭に置いて書かれていることである。原理の説明の後には必ず実際の実験データを示して,導いた式の定性的な意味が理解できるように工夫されている。また,各章末には問題があり,理解を助けるのに役立つ。奇数番号の問題には簡単な解説と解答が巻末に掲げてある。
もくじ
第I部 高分子の構造とダイナミックス
第1章 生体高分子
第2章 熱力学と生化学
第3章 分子熱力学
第4章 統計熱力学
第5章 高分子の分離と特性解析のための方法
第6章 X線回折
第7章 高分子溶液からの散乱
第II部 分光学
第8章 量子力学と分光学
第9章 吸収スペクトル
第10章 直線偏光および円偏光二色性
第11章 蛍光分光学
第12章 核磁気共鳴スペクトル
第III部 高分子の溶液中の挙動
第13章 水溶液中の高分子:熱力学と平衡
第14章 輸送過程の熱力学
第15章 高分子の関与する化学平衡
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監訳:田之倉 優(東大・大学院農生科・教授)
有坂 文雄(東工大・大学院生命理工・助教授)
翻訳:新井 宗仁(東大・大学院理)
小島 正樹(東京薬大・生命科学)
佐々木 宏(常磐短大)
鈴木 倫太郎(鉱工業海洋生物利用技術研究センター釜石センター・研究員)
武田 茂樹(群馬大・工・助教授)
奈良 雅之(東京医歯大・教養・助教授)
秦野 賢一(群馬大・工学部) |