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月刊糖尿病 09年8月号
月刊糖尿病8月号 SOLD OUT

2009年7月21日発売
A4変型判/144頁
価格:本体2,400円+税
ISBNコード:978-4-287-82003-2
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特集インスリン治療の進歩
編集企画/荒木栄一
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目次 特集 連載 連載
 本号では,『インスリン治療の進歩』というタイトルで特集を企画させていただいた.1921年にFrederick BantingとCharles Bestによって発見されたインスリンは,翌1922年には糖尿病患者の治療に使用され,それまでは有効な治療法がなかった1型糖尿病患者の大きな福音となった.このインスリン発見の歴史にもさまざまなエピソードがあり,大変興味深い.一方,インスリン療法によって生命を脅かす急性の代謝異常が改善されても,長期にわたる厳格な血糖管理が達成できなければ,糖尿病特有の合併症発症が阻止できないことも明らかとなった.したがって現在のインスリン療法は,いかに低血糖を起こすことなく,かつ厳格な血糖管理を可能とする方法を確立し,網膜症や腎症といった血管合併症の発症・進展阻止を可能とすることを目指しているということができる.
 糖尿病の病態はインスリン作用の不足であり,インスリン療法は不足するインスリンを直接補う最も生理的な糖尿病治療とも考えることができる.しかしながら現在のインスリン療法は皮下投与といった,生理的なインスリン分泌動態とは異なるインスリン補償法を余儀なくされており,厳格な血糖管理を達成するための問題点を内包している.そしてこのような問題点を解決すべく,現在に至るまでにインスリン製剤や注射器具の改良などの様々な試みがなされており,さらにその試みは継続されている.
 本特集では,日本における糖尿病専門家のなかでも,とりわけインスリン療法に造詣の深い先生にご依頼をし,インスリンの発見から,インスリン製剤や注射器などを含めたインスリン療法の進歩,インスリン療法の実際と各種病態におけるインスリン使用のこつ,そしてインスリン療法の将来展望に至るまでの幅広い内容で執筆をいただいた.今までインスリン療法の経験のない医師でも,インスリン療法を始めていただくのに十分な実質的な内容も取り上げた.また,糖尿病の専門医が臨床の現場でいかにインスリン製剤を選択して活用していくかを考える際の参考となるような内容も含んでいる.
 本特集が,すでにインスリン療法になじみの深い医師やコメディカルの皆様の参考になるとともに,これからインスリン療法を学ぼうと希望される皆様にも有益なものとなることを願うものである.
荒木栄一
(熊本大学大学院 医学薬学研究部 代謝内科学 教授)
[特集]インスリン治療の進歩
特集にあたって(荒木栄一)
1 インスリンの発見 (堀田 饒)
2 インスリン製剤とデバイスの進歩(加来浩平 他)
3 インスリン療法の選択(河盛隆造)
4 インスリン自己注射手技の実際と注意点(朝倉俊成)
5 インスリン用量の設定と変更方法(小林哲郎 他)
6 血糖自己測定の進歩と活用(山田研太郎 他)
7 ヒトインスリンとアナログ インスリンの使い分け(吉岡成人 他)
8 経口薬とインスリンの併用療法(綿田裕孝 他)
9 CS II-利点と注意点(難波光義 他)
10 シックデイ,ケトアシドーシスへの対応(内潟安子 他)
11 低血糖の臨床的意義と対処法(石井 均 他)
12 インスリン療法の将来展望(荒木栄一 他)
セルフトレーニング -チェックリスト問題と解答-

[巻頭口絵]糖尿病カラーグラフィックス
心臓マルチスライスCTを用いた糖尿病症例における動脈硬化の画像診断(小室一成 他)
[学術情報記事] (提供:ノボノルディスク ファーマ株式会社)
インスリン療法のステップアップ(犬飼浩一)
[連載]糖尿病に合併する感染症 企画:永淵正法
 〈第3回〉糖尿病患者におけるインフルエンザ対策(池松秀之)
[連載]糖尿病検査シリーズ 企画:柏木厚典
 〈第3回〉1,5AG(山内俊一)