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月刊糖尿病 10年1月号
月刊糖尿病1月号 SOLD OUT

2009年12月21日発売
A4変型判/112頁
価格:本体2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82008-7
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特集糖尿病の合併症高血圧管理と薬物療法
編集企画/島本和明
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目次 特集 特集 特集
 高血圧と糖尿病はいずれも高頻度な生活習慣病であり,とくに糖尿病は生活習慣の欧米化を反映して急増している.これらはともに動脈硬化の危険因子であるが,糖尿病に加えて高血圧が合併した場合,心血管疾患のリスクが著増することも内外の疫学研究でよく知られている.そして,糖尿病における心血管疾患合併症を予防するうえで厳格な血圧管理が重要であることが,最近の欧米やわが国の研究により強く指摘されている.
 糖尿病を合併した高血圧治療の降圧目標について,内外のガイドラインは一致してエビデンスに基づいた提言を行っている.わが国でも海外と同様に降圧目標は130/80 mmHg未満とされ,糖尿病合併高血圧においては降圧目標をより低めに設定する必要性が確認されている.糖尿病の治療の原則は,運動療法・食事療法による生活習慣の改善である.
 糖尿病合併高血圧の治療に用いる降圧薬は,確実な降圧作用があり,副作用が少なく,大規模臨床試験で心血管事故の抑制が確認されていることが選択基準となる.ESH/ESC2007では,これまでのエビデンスを重視して,降圧薬としてはACE阻害薬とARBのRAS抑制薬を基礎に,血圧の厳格管理にCa拮抗薬や降圧利尿薬の併用が勧められている.とくにレニン・アンジオテンシン系抑制薬とそれらを含む治療法が心血管疾患や腎症に対する対策として望ましいとしている.このような考え方は,2007年のADAのガイドラインでも述べられており,JSH2009においても同様の方針が決められている.
 本特集では,高血圧合併糖尿病のわが国における疫学から,糖尿病合併高血圧の病態について,とくに,冠動脈疾患,心不全,脳血管障害,腎障害まで,専門の先生から述べていただく.そして,糖尿病合併高血圧の治療については,糖代謝面,脂質代謝面,心不全管理,冠動脈疾患管理,脳血管障害管理,腎障害に対する対策の面から,治療全体を紹介する.本特集が,動脈硬化性疾患を中心とする心血管疾患に加えて腎障害をも含め,糖尿病合併高血圧の管理について包括的に理解できる,臨床的に有意義な内容をお届けできれば幸いである.
島本和明
(札幌医科大学 第二内科 教授・日本高血圧学会 理事長・日本心臓病学会 副理事長)
[特集]糖尿病の合併症高血圧管理と薬物療法
特集にあたって(島本和明)
1.高血圧合併糖尿病の疫学(斎藤重幸)
2.高血圧合併糖尿病の病態上の特徴(高橋敦彦 他)
3.高血圧合併糖尿病における虚血性心疾患の特徴(宮本恵宏 他)
4.高血圧合併糖尿病患者における心不全の特徴(小室一成 他)
5.高血圧合併糖尿病における脳血管障害の特徴(松本昌泰 他)
6.高血圧合併糖尿病における腎障害の特徴(柏原直樹)
7.高血圧薬物治療 -糖代謝より(片山茂裕)
8.高血圧薬物治療 -脂質代謝より(及川眞一 他)
9.高血圧薬物治療 -心不全予防・治療(筒井裕之 他)
10.高血圧薬物治療 -虚血性心疾患予防・治療(代田浩之 他)
11.高血圧薬物治療 -脳血管障害予防・治療(棚橋紀夫 他)
12.高血圧薬物治療 -腎症予防・治療(伊藤貞嘉 他)

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