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月刊糖尿病 10年2月号
月刊糖尿病2月号 SOLD OUT

2010年1月20日発売
A4変型判/128頁
価格:本体2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82009-4
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特集糖尿病と網膜症
編集企画/山下英俊
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目次 特集 特集 特集
 糖尿病網膜症は糖尿病の細小血管合併症のひとつであり,進行すると重篤な視力障害をきたす.その病態は網膜血管の障害による.糖尿病患者数の増加に伴い糖尿病網膜症を有する患者数も増加していると考えられる.2007年の厚生労働省の国民健康・栄養調査によると,糖尿病を強く疑われる患者数は890万人と推計されており,10年前(1997年)の調査時の690万人より200万人も増加している.網膜症の有病率を糖尿病患者の約3割と見積もっても,300万人に及ぶ網膜症患者がいることになる.1991年の調査によると糖尿病網膜症は日本人の後天性視覚障害(身体障害者手帳発給をデータベースとして)の第1位,視力障害者の約2割を占めていた.約20年を経て2005年度に同様の方法で調査した結果でも,糖尿病網膜症による視力障害者は緑内障に次いで2位であり,依然として約2割を占めていた.このように糖尿病網膜症治療は糖尿病患者でのQOL(quality of life)を高く保つために大変重要である.治療法として,糖尿病および網膜症の全身リスク因子,眼科局所因子の検討成果,分子病態の研究の進歩,治療法の開発などにより視力予後を高く保つことが可能になってきた.さらに,糖尿病による血管障害の程度が網膜症の病変により示される.このデータは糖尿病の診断基準を検討する際に用いられるほか,大血管症の予後を予測するデータとして利用する試みもなされている.このように網膜症の情報が糖尿病診療のいろいろな側面で利用されてきている.
 本特集では,糖尿病医療における網膜症診療の位置づけ,内科と眼科の協力により網膜症の治療が急速に進歩しつつある状態を,それぞれの分野のエキスパートにわかりやすく解説していただき,現状と今後の展望を行うことを目的としている.
山下英俊
(山形大学 医学部 眼科学教室 教授)
[特集]糖尿病の合併症高血圧管理と薬物療法
特集にあたって(山下英俊)
1.糖尿病診断と網膜症(富永真琴)
2.糖尿病網膜症のリスク因子(山田信博 他)
3. 糖尿病網膜症の分子病態:代謝異常を中心に(荒木栄一 他)
4.糖尿病網膜症の分子病態:サイトカインを中心に(石田 晋)
5.糖尿病網膜症の診断(飯田知弘 他)
6.糖尿病網膜症の所見と重症度分類(船津英陽)
7.糖尿病網膜症の治療:全身因子の管理(谷澤幸生 他)
8.糖尿病網膜症の眼科治療の戦略(池田恒彦)
9.糖尿病網膜症に対する網膜光凝固(佐藤幸裕)
10.糖尿病網膜症に対する硝子体手術(とくに増殖網膜症の治療)(白神史雄 他)
11.糖尿病黄斑浮腫の治療と戦略(高木 均)
12.糖尿病網膜症と大血管症の関連(川崎 良)
13. 糖尿病網膜症における眼科-内科連携(堀 貞夫 他)

[巻頭口絵]糖尿病カラーグラフィックス 糖尿病網膜症の画像(北野滋彦)
[連載]糖尿病に合併する感染症 企画:永淵正法
〈第8回〉糖尿病とレンサ球菌(内田勇二郎 他)
[連載]糖尿病検査シリーズ 企画:柏木厚典
〈第8回〉インスリン,Cペプチド,プロインスリン(三家登喜夫)