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月刊糖尿病3月号 SOLD OUT |
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2010年2月22日発売
A4変型判/136頁 価格:本体2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82010-0
全ページカラー印刷
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特集●メタボリックシンドローム Up to Date |
編集企画/戸邉一之 |
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画像をクリックするとサンプル(PDF)をご覧いただけます |
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「肥満の子どもが全年齢で減少」という文部科学省の調査が先日発表された.「規則正しい食生活の浸透やスタイルを気にする子の増加が原因ではないか」という.糖尿病の患者数は,調査のたびに増加しており,どこまで増加するのか注目されてきたが,今回の調査結果から,ある時期から歯止めがかかる可能性が出てくると期待している.
平成17年度の診断基準の策定,平成20年度4月から厚生労働省の事業として特定健診特定保健指導,そして平成18年には流行語大賞にもなったように,「メタボリックシンドローム」は私たちの日常生活の一部になりつつある.以前は,「メタボ」に分類される患者は「境界型糖尿病」ということで糖尿病外来などでフォローされていた.この「境界型糖尿病」の時期から動脈硬化が進み,健康寿命にも影響を与えることがわかり,この時期からリスクファクターの管理を十分に行わなければいけないと考えられてきていたが,一方で「こんなに軽いのに病院に通いつづけなければいけないのか」という患者側の反応や,また糖尿病の専門外来はコントロールの悪い人,薬物治療を行っている人が中心で,そこまで手がまわらないのも実情であった.ここでいう「軽い」とは,糖尿病も未発症(126 mg/dl未満),脂質代謝異常も軽度,血圧も高血圧と診断されるには至っていないという意味である.「メタボリックシンドローム」で最も重要なのは,食事療法・運動療法を中心とした「生活習慣の改善」であり,それに対する「動機づけ」である.「軽い」という言葉を使って「軽視」する態度は,「動機づけ」の観点からいえば「重症」である.「生活改善をどの程度患者が重要に思っているか」という観点からメタボリックシンドロームを有する患者には接したい.耐糖能障害を発症してから実際の糖尿病の発症に至る10年くらいの間に「生活改善」の意識を高めるように促していく意味で,「特定保健指導」の役割は重要である. 本特集によりメタボリックシンドロームについて理解を深めていただき,メタボリックシンドロームと診断される人が生活改善の重要性を理解し,実行への一歩を踏み出すことになればと期待したい.
戸邉一之
(富山大学 医学部 第一内科 教授)
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[特集]メタボリックシンドローム Up to Date
1. メタボリックシンドロームとは?(浦風雅春)
2. メタボリックシンドロームの診断基準の考え方(原 一雄)
3. メタボリックシンドロームと腹囲内臓脂肪(下村伊一郎)
4. メタボリックシンドロームと2型糖尿病(綿田裕孝)
5. メタボリックシンドロームと高血圧(伊藤 裕)
6. メタボリックシンドロームと脂質代謝異常(横手幸太郎)
7. メタボリックシンドロームと血管機能・循環器疾患(柏木厚典)
8. メタボリックシンドロームと脳血管障害(田中耕太郎)
9. メタボリックシンドロームと慢性腎臓病(羽田勝計)
10. メタボリックシンドロームを合併した2型糖尿病の管理の仕方(植木浩二郎)
11. 疫学調査からみたリスクファクターの重みづけ(清原 裕)
12. メタボリックシンドロームとアディポカイン(薄井 勲)
13. メタボリックシンドローム型2型糖尿病とインクレチンおよび関連製剤(山田祐一郎)
14-1. 2型糖尿病患者におけるメタボリックシンドローム診断の意義(大いに意義がある)(伊藤千賀子)
14-1. 2型糖尿病患者におけるメタボリックシンドローム診断の意義(あまり意義がない)(武田 純)
[連載]糖尿病検査シリーズ 企画:柏木厚典
〈第9回〉インスリン抵抗性指標(柱本 満)
[連載]糖尿病専門医のための皮膚病変講座 企画:柏木厚典
〈第7回〉皮膚そう痒症,掌蹠膿疱症(椛島健治)
[連載]糖尿病に合併する感染症 企画:永淵正法
〈第9回〉インフルエンザ菌(河野 茂 他)
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