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月刊糖尿病 10年5月号
月刊糖尿病7月号 SOLD OUT

2010年6月21日発売
A4変型判/144頁
価格:本体2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82014-8
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特集糖尿病に合併する冠動脈疾患に対する治療戦略
編集企画/代田浩之
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目次 特集 特集 特集
 糖尿病患者の増加とともに冠動脈疾患患者における糖尿病の合併率も上昇している.さらに診断されていない糖尿病や耐糖能異常の患者も加えれば,冠動脈疾患患者の多くがなんらかの糖代謝異常を持っている.糖尿病を合併した冠動脈疾患症例の予後は不良で,その治療成績は非糖尿病者と比べて有意に劣ることが示されてきた.その原因として,糖尿病を合併した冠動脈疾患は,一般に左主幹部病変,多枝病変,びまん性病変が多く,冠動脈径が細い,病変が長い,プラーク量が多いなどの特徴があるとされてきた.そのうえ,駆出率が低く心不全の合併が高率であるために,たとえ血行再建を受けても非糖尿病者と比べてその予後が劣ることが示されている.一方で,近年増加している急性冠症候群を発症した糖尿病患者では一枝の局在病変を持つ症例も多く,糖尿病の冠動脈疾患の病態も多様になっており,病型に併せた診断治療,そして予防戦略が必要である.治療の観点からは,冠動脈インターンベンションでは薬剤溶出ステントの開発,冠動脈バイパスでは動脈グラフトの多用やOff-pumpバイパスの応用などで糖尿病のリスクを改善する工夫が続けられている.一方,内科治療と予防の観点からは,血糖のコントロールが予後にどのように関与するか,そのための治療選択はなにかが,さかんに議論されている.
 この特集では糖尿病を合併した冠動脈疾患患者の診断と治療戦略について,糖尿病専門医,循環器内科専門医,心臓血管外科医それぞれの立場から,最新のエビデンスに基づいて,糖尿病に合併した冠動脈疾患の病態診断,そして治療について,実践的に解説してもらう.
代田浩之
(順天堂大学医学部 循環器内科 教授)
[特集]糖尿病に合併する冠動脈疾患に対する治療戦略
特集にあたって(代田浩之)
1. 糖尿病と冠動脈疾患の疫学(西村理明)
2. 糖尿病における動脈硬化発症のメカニズム(綿田裕孝 他)
3. 糖尿病を合併した冠動脈病変の特徴(土手慶吾 他)
4. 糖尿病に合併する冠動脈疾患のスクリーニング(西村重敬 他)
5. 糖尿病を合併した冠動脈疾患のCT・MRI(栗林幸夫 他)
6. 糖尿病を合併した冠動脈疾患のIVUS・OCT(赤阪隆史 他)
7. 循環器専門医に必要な食事療法と運動指導の知識(清水友章)
8. 薬物療法とインスリン療法の実際
-どこまで循環器で診るのか-(加来浩平 他)
9. CCUで必要な血糖コントロールとそのエビデンス(木村真理)
10. PCIの適応と実際(宮崎俊一 他)
11. CABGの適応と遠隔期成績(浅井 徹 他)
12. 心不全合併に対する治療戦略(北風政史 他)
13. 末梢病変への治療戦略(中村正人 他)
14. 糖尿病性腎症への対策(伊藤貞嘉)

[連載]糖尿病に合併する感染症 企画:永淵正法
〈第13回〉結核(岡田 薫