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月刊糖尿病 11年11月号
月刊糖尿病12月号 SOLD OUT

2011年11月21日発売
A4変型判/144頁
価格:本体2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82031-5
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特集糖尿病の血管合併症

企画編集/山科 章
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目次 特集 連載 特集
 「風邪は万病の元」という言葉があるが,筆者にとっては,糖尿病こそ万病の元である.糖尿病の最大の問題点は,すべての危険因子と絡み合って,ありとあらゆる臓器障害を引き起こすことにある.その臓器障害は,血管障害によるものであり,この血管障害は細小血管から大血管まで広く全身に起こる.細小血管障害は糖尿病の3大合併症と呼ばれる腎症,網膜症,神経障害などを引き起こし,大血管障害は冠動脈疾患,脳血管障害,末梢動脈疾患などを引き起こす.いずれもいったん発症すると,患者の QOL を著しく損ない,しばしば生命を脅かす.したがって糖尿病においては,糖尿病の診断治療だけでなく,糖尿病性血管障害の予防,早期発見,診断から治療について,予防医学にかかわる者から集中治療にかかわわる者まで,幅広く集学的に行わなければならない.
 そこで本特集では,糖尿病における血管障害を切り口に,基礎から臨床まで幅広く取り上げ,疫学・病因・病態,診断,治療について,それぞれの専門家にわかりやすく解説いただいた.
 糖尿病性血管障害の疫学,病因・病態では,糖尿病性血管障害発生の分子機構,血管障害発生の生ずる場(内膜,中膜)ごとの病態メカニズムと糖尿病における凝固・線溶機能障害を取り上げ,糖尿病性血管障害の奥にあるものを理解できるようにした.診断については,糖尿病患者ないし糖尿病が疑われる患者を対象として,効率的に診断を進めるものとし,まず近年おろそかにされている医療面接と身体診察法を取り上げ,検査ではその上流にある早期の血管障害評価法として,内皮機能検査,血管機能検査法を取り上げた.診断については,効率的かつ予後を改善するための診断の進め方を,心疾患,大動脈疾患,末梢動脈疾患について解説いただいた.治療では,糖尿病の血管合併症予防を目指した集学的リスク管理,冠動脈疾患,脳血管障害,末梢動脈疾患の治療法と管理を取り上げ,解説いただいた.
 臓器障害が発見されてから治療するのでは遅い.予防策を講じ,早期に発見して適切な対策を立てる.また,万一疾患を発症すれば早期に対応し,再発を防止する.そういったコンセプトに基づいて企画した特集である.糖尿病診療にかかわわる方だけでなく,心疾患治療の第一線で活躍されている方,予防医学の分野において日々努力している方々まで,幅広く読んでいただきたい.
山科 章
(東京医科大学 循環器内科 教授)
特集
I 疫学・病因・病態
1.糖尿病性血管障害の疫学/清原 裕 他
2.糖尿病性血管障害の分子機構/山岸昌一
3.糖尿病における内膜の障害とそのメカニズム/島袋充生 他
4.糖尿病における中膜の障害とそのメカニズム/坂田則行 他
5.糖尿病おける凝固線溶機能の障害/小川久雄 他

II 診断
1.糖尿病おける血管障害発見のための医療面接と身体診察/池田宇一 他
2.糖尿病おける血管内皮機能検査/東 幸仁
3.糖尿病おける血管機能検査(PWV/AI/ABI)/冨山博史 他
4.心疾患に対する診断法/西村重敬
5.脳血管疾患に対する診断法/鈴木則宏 他
6. 大動脈・末梢動脈疾患に対する診断法/渡部芳子

III 治療
1. 糖尿病の血管合併症予防を目指した集学的リスク管理/代田浩之 他
2.糖尿病における冠動脈疾患の治療・管理/尾崎行男 他
3.糖尿病における脳血管疾患の治療・管理/松本昌泰 他
4. 糖尿病における末梢動脈疾患の治療・管理/笹嶋唯博

連載
・セルフトレーニング - チェックリスト問題と解答 -
・糖尿病に合併する感染症
第26回 深部膿瘍/下野信行 他