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月刊糖尿病 12年2月号
月刊糖尿病2012年2月号 SOLD OUT

2012年1月20日発売
A4変型判/128頁
価格:本体 2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82033-9
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特集心腎連鎖の克服を目指した糖尿病腎症の治療

企画編集/古家大祐
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目次 特集 特集 連載
 日本のみならず,欧米諸国においても,微量アルブミン尿で診断できる早期腎症を含めた糖尿病腎症の患者数は,増加の一途を辿っている.いうまでもなく,その結果として末期腎不全となり,新規に透析導入となる患者も増え,莫大な医療費を要することから社会的問題にもなっている.一方,糖尿病大規模研究であるUnited Kingdom Prospective Diabetes Study(UKPDS)で示されたように,糖尿病腎症の病期が進展すると,腎症が進展するよりも高い頻度で心血管疾患に罹患し,死亡するリスクが高くなる.つまり,糖尿病腎症の進展のみを阻止することを念頭に治療を行っていると,いつの間にか患者は循環器内科あるいは外科,また,神経内科に入院されているケースがあることを忘れてはならない.日本でも,厚生労働科学研究として「糖尿病における失明,歯周病,腎症,大血管症などの実態把握とその治療によるデータベース構築による大規模前向き研究」が進捗しており,日本人独自の心腎連鎖と糖尿病治療の実態が明らかにされると期待されている.
 そこで,本特集では,糖尿病患者中心の質の高い「心腎連鎖の克服を目指した糖尿病腎症の治療」を企画した.糖尿病腎症における心腎連鎖のメカニズムを基礎的および臨床的観点から理解を深めるとともに,それらを基盤とした心腎連鎖を克服する治療戦略を,第一線の先生方にご執筆頂いた.心臓から腎障害が,腎臓から心障害が生じる機構,およびCKDステージの進行とともにカルシウム(Ca)代謝異常,貧血,そして尿毒素物質が心腎連鎖を惹起すること,そしてそれらの対策についても詳細に解説頂いている.この企画によって,読者の方々がそれぞれ新たな視点から糖尿病腎症の治療を,また,病期の進行した際には糖尿病・腎臓専門医の連携によって日常診療を実践され,心腎連鎖の克服を目指して頂けると確信している.
古家大祐
(金沢医科大学 糖尿病・内分泌内科 教授)
特集
I.心腎連関とは
1 腎臓からみた心腎連関/伊藤貞嘉
2 心臓からみた心腎連関/伊藤 浩 他
II.心腎連関と各因子・疾患のかかわり
1 心血管危険因子としてのCKD/斎藤重幸 他
2 心腎連関と微量アルブミン尿の意義/荒木信一
3 カルシウム代謝・CKD・心腎連関/深川雅史 他
4 貧血・尿毒症毒素・CKD・心腎連関/丹羽利充
5 肥満・メタボリックシンドロームと心腎連関/渡辺 毅
6 炎症と酸化ストレス・CKD・心疾患/長瀬美樹 他
III.心腎連関におけるトピックス
1 腎虚血の病態における意義/牧野雄一 他
2 RA系はすべてのCKD患者で抑制すべきか,どの程度抑制すべきか/片山茂裕
3 尿酸の意義:バイオマーカーか病因か/細谷龍男 他
4 地域診療での注意点/今井圓裕 他

連載
・セルフトレーニング - チェックリスト問題と解答 -
・糖尿病の食事療法
第2回糖尿病腎症の食事/四方賢一 他
・糖尿病に合併する感染症
第28回 腸内細菌-大腸菌,肺炎桿菌-/長崎洋司 他