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月刊糖尿病 12年4月号
月刊糖尿病2012年5月号 SOLD OUT

2012年4月20日発売
A4変型判/144頁
価格:本体 2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82036-0
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特集経口抗糖尿病治療薬

企画編集/佐藤 譲
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目次 特集 連載 連載
 2型糖尿病は,膵β細胞のインスリン分泌不全にインスリン抵抗性が加わり,インスリン作用不足をきたして発症するが,糖尿病発症におけるインスリン分泌不全とインスリン抵抗性の寄与度は個々の患者によって異なる.また,膵β細胞機能は2型糖尿病発症時にはすでに50 %以上に低下しており,その後も進行性に低下するといわれる.
 このような2型糖尿病の病態に対して,現在はインスリン抵抗性改善薬(チアゾリジン薬,ビグアナイド薬),インスリン分泌促進薬(SU薬,グリニド薬,DPP-4阻害薬),食後血糖改善薬(αグルコシダーゼ阻害薬)などの経口抗糖尿病治療薬が使用されているが,血糖コントロールの正常化は容易ではない.糖尿病薬物療法のコツは,個々の患者の病態を見分け,それに合わせて適切に経口薬を選択することであり,経口薬の選択によって効果に差が出る.基本的には,膵β細胞機能の低下を防ぎながら,糖尿病発症早期から良好な血糖コントロールを長期間維持することが大切であり,合併症の予防につながる.
 また,経口抗糖尿病治療薬には,血糖降下作用以外に細小血管障害や大血管障害などの合併症の抑制効果のあるものや,逆に副作用や発癌リスクが問題になっているものもあり,長期の安全使用にはさまざまな情報や知識が必要である.
 本特集では,各種経口抗糖尿病治療薬の特徴と病態に合わせた薬剤(単剤,併用)の選択方法や注意点を,ご専門の先生方から詳しく解説していただいた.糖尿病の薬物療法に大いに参考になると思われる.
佐藤 譲
(岩手医科大学 医学部 内科学講座 糖尿病・代謝内科分野 教授)
特集にあたって/佐藤 譲
I 経口抗糖尿病治療薬の歴史と展望/加来浩平 他
II 経口抗糖尿病治療薬の特徴と使い方:単独と併用療法
1.インスリン分泌促進薬
(1) SU薬/佐倉 宏
(2)グリニド薬/岩瀬正典
(3)DPP-4阻害薬/成田琢磨
2.インスリン抵抗性改善薬
(1)ビグアナイド薬/田村好史
(2)チアゾリジン薬/戸邉一之 他
III 食後血糖改善薬の特徴と使い方/森 豊
IV 経口抗糖尿病治療薬の適応例と禁忌例の見分け方/吉岡成人
V 経口抗糖尿病治療薬の糖尿病合併症抑制作用
1.インスリン分泌促進薬の膵外作用/絵本正憲
2.インスリン抵抗性改善薬の抗動脈硬化作用/山内敏正 他
VI 経口抗糖尿病治療薬からいつインスリン療法に切り替えるか/弘世貴久 他
VII 経口抗糖尿病治療薬と癌リスク/寺内康夫 他
VIII 新しい経口抗糖尿病治療薬:SGLT2阻害薬/柏木厚典 他

・セルフトレーニング -チェックリスト問題と解答-


連載
・テーラーメイド医療-糖尿病における現状と展望-
第1回 テーラーメイド医療実現のための基礎理論
前田士郎

・糖尿病に合併する感染症
第30回 高齢糖尿病患者における感染症-誤嚥性肺炎への対応-
古賀龍彦 他