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月刊糖尿病 12年11月号
月刊糖尿病2012年11月号 SOLD OUT

2012年10月22日発売
A4変型判/144頁
価格:本体 2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82042-1
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特集メタボリックシンドロームと糖尿病
   -日本人の健康増進のために-

企画編集/下村伊一郎
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 糖尿病の診療に携わるうえで,メタボリックシンドローム,すなわち,内臓脂肪蓄積を基盤とした代謝異常は,もはや避けて通れない問題となっている.従来,日本人の糖尿病患者は欧米とは異なり,やせ型が多く,膵インスリン分泌不全を主体として,その病態に差があると指摘されてきた.しかし,日本でも近年,肥満,とくに内臓脂肪蓄積型肥満を基盤に発症する若年・中壮年の糖尿病患者が激増しており,その対策は喫緊の課題となっている.
 メタボリックシンドロームは2型糖尿病発症のリスクとなると同時に,糖尿病と並び心血管疾患発症のリスクとなり,お互いに密接なかかわりを持っている.生活習慣の改善がなににも増して重要であるという点も,両者に共通する特徴である.メタボリックシンドロームと糖尿病,およびこれらと生活習慣とのかかわりについては,これまで実にさまざまな観察研究,介入研究が組まれ,その研究成果が主要雑誌でも数多く発表されてきた.今日でも本疾患にかかわる論文を目にしない日はないに等しく,また現在進行中の大規模臨床研究も国内外で多数存在する.我々が明日の国民の健康を考えるとき,これまでの膨大な臨床研究からどこまでが明らかにされていて,何が未解明のまま残っているのかを整理しておくことはきわめて重要といえる.
 そこで,本特集では「メタボリックシンドロームと糖尿病−日本人の健康増進のために−」と題し,これらの疾患にまつわる種々のエビデンスについて,第一線で活躍されておられる,あるいは直接的に関与された先生方にわかりやすく解説いただいた.病態学的機序よりも,直近の臨床研究の成果に重点を置いた本企画は,明日からの国民の健康,そして現場での診療を考えるうえで役立つものになると確信している.海外の主要臨床研究に加えて,日本の質の高い臨床研究が,これまでなにをどこまで明らかにしたのかを俯瞰し,これから各人が現場での診療を充実させ,また何を実証し検証していくべきであるかを考えるために,本特集がその一助となることを期待している.
下村伊一郎
(大阪大学大学院 医学系研究科 内分泌・代謝内科学 教授)
特集にあたって 下村伊一郎

I.メタボリックシンドローム・保健指導にまつわるトピック/西澤 均

II.海外のエビデンス1:観察研究より/及川眞一 他

III.海外のエビデンス2:生活習慣介入試験より
1.介入内容の違いからみた効果/坂根直樹
2.アウトカム別にみた効果/曽根博仁

IV.日本人のエビデンス:日本人の疫学研究より
1.NIPPON DATA/上島弘嗣 他
2.JPHC Study/津金昌一郎
3.久山町研究/清原 裕 他
4.端野・壮瞥町研究/赤坂 憲 他
5.舟形スタディ/大門 真
6.日系人疫学研究/中西修平 他

V.日本の健診制度のなかでの健康増進に向けて
1.健診による健康増進のエビデンス(特定健診以前)/大平哲也 他
2.特定保健指導のエビデンス/津下一代

VI.保健指導における先進的自治体での取り組み/野口 緑

・セルフトレーニング-チェックリスト問題と解答-


連載
・テーラーメイド医療〜糖尿病における現状と展望〜
第6回 合併症遺伝子の最新情報:細小血管症
前田士郎

・糖尿病の運動療法
第4回 運動療法とメディカルチェック
田中史朗 他

・糖尿病の食事療法
第8回 食品成分の抗糖尿病作用
矢ヶ崎一三

・糖尿病に合併する感染症
第34回 ワクチン
岡田賢司
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