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| 月刊糖尿病2013年4月号 SOLD OUT |
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2013年3月21日発売
A4変型判／96頁
価格：本体2,500円+税
ISBNコード：978-4-287-82047-6
全ページカラー印刷
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特集●高齢者における糖尿病診療−多様な病態に配慮した管理−
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| 企画編集／大庭建三 |
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日本の人口構成は，現在の前期高齢者と後期高齢者の相半ばする比率から，今後は次第に後期高齢者の割合が高くなり，急速な超高齢化が進行していく．これに伴い急増してくるのは，成人期に発症して医療の進歩によって高齢期に至った，罹病年数の長い“糖尿病を持つ高齢者”である．その病状は，糖尿病に特有な諸種の合併症，併存疾患，認知症やうつ状態などといった身体的，精神・心理的要因に加えて，患者を取り巻く療養支援体制などの社会的要因もきわめて多様である．このような“糖尿病を持つ高齢者”を診療するうえで，理解を深めておくべき必須事項は数多い．
高齢糖尿病患者に対する管理指針は，1996年の「老年者の糖尿病治療ガイドライン作成に関する研究」班（班長：井藤英喜）による“厳格な糖尿病管理を必要とする高齢者糖尿病”の提唱に始まる．その後2000年代に入り，各国から高齢者糖尿病の管理に関するガイドラインが相い次いで発表されている．血糖値の管理目標値についてみると，いずれも健康な高齢者と虚弱な高齢者に分けて，後者の目標値を高く設定している点では共通している．しかし，この数値の背景となるエビデンスという点においては，不十分といわざるを得ないのが現状であった．
しかし，高リスクの2型糖尿病患者への厳格な血糖管理による心血管イベントの抑制効果をみた試験や，高齢者糖尿病の血糖管理と生命予後，転倒，認知機能，activities of daily living（ADL），quality of life（QOL）などとの関連をみた成績が近年相い次いで明らかにされてきた．その結果，高リスクの2型糖尿病患者への厳格な血糖管理は，かえって死亡率や心血管イベントの発症を高めてしまう可能性があることが明らかになった．また，高齢者糖尿病の観察研究では，HbA1cが低値であるほど転倒リスクが高くなる事実や，認知症の発症率が重症低血糖の経験数の増加とともに上昇することなども報告されている．また，厳格な血糖管理はQOLの改善や認知症の予防には結びつかないとする成績も報告されている．
これらの知見を背景に，2012年には米国糖尿病学会（ADA）と欧州糖尿病学会（EASD）による2型糖尿病の高血糖管理に関する合同声明が発表された．本合同声明における血糖管理目標値は，患者の療養への態度や意欲，低血糖やその他の副作用のリスク，罹病年数，余命，重大な併存疾患の有無，既存の血管合併症の有無，社会的リソースや支援の有無などを総合的に勘案して，より厳格なところから緩やかな目標値まで個別化して設定することを勧めており，高齢者に対するかなりの配慮が行われている．また，日本で世界に先駆け行われた「高齢者糖尿病に対する前向き大規模臨床介入研究（J-EDIT）」（主任研究者：井藤英喜）の成果が発表され，糖尿病性合併症の発症抑制には，マイルドな血糖管理に血圧，脂質，生活習慣の管理を加えた総合的ケアが重要であることが示されている．
今我々に要求されている高齢者糖尿病の診療は，血糖値，血圧，脂質値の管理はどうあるべきか，最近広く臨床の場で使用されるようになった持効型インスリンやインクレチン関連薬を含んでの血糖降下薬の選択やその使い方はどうあるべきか，また，高齢者の食事・運動療法や，日常診療における管理上の注意点は何かなどを十分に理解したうえで，ひとりひとりの人生観や生活の質を尊重した個別化された医療を提供していくことである．
本特集では，高齢者糖尿病診療のエキスパートに，高齢者の多様な病態に配慮した糖尿病管理の実際をこのような問題点を中心に解説していただいた．明日からの“糖尿病を持つ高齢者”の診療に役立つ，座右の書となることを確信している．
大庭建三
（日本医科大学 老年内科 教授）
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特集にあたって／大庭建三
1．高齢者糖尿病における血糖管理のあり方／荒木 厚
2．高齢者糖尿病における生活指導のあり方／梅垣宏行 他
3．高齢者糖尿病における血圧管理のあり方／楽木宏実 他
4．高齢者糖尿病における脂質管理のあり方／荒井秀典
5．高齢者糖尿病における経口血糖降下薬療法の実際／中野博司
6．高齢者糖尿病におけるインスリン療法（BOT含む）の実際／永田正男 他
7．高齢者糖尿病におけるインクレチン関連薬の使い方／稲垣暢也 他
8．高齢者糖尿病における管理上の注意点／小沼富男 他
9．J-EDITにみる日本人高齢者糖尿病診療の実態とその成果／井藤英喜
・セルフトレーニング−チェックリスト問題と解答−
連載
・テーラーメイド医療〜糖尿病における現状と展望〜
第10回 遺伝子治療・再生医療
倭 英司
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