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月刊糖尿病 13年5月号
月刊糖尿病2013年8月号 SOLD OUT

2013年7月22日発売
A4変型判/112頁
価格:本体2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82051-3
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特集●糖尿病性合併症を考慮した高血圧治療

企画編集/片山茂裕
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 糖尿病があるだけで,心血管疾患のリスクが非糖尿病者の2〜4倍になることはよく知られている.高血圧の合併はそのリスクをさらに高めるだけでなく,糖尿病性腎症・網膜症などの細小血管障害のリスクも上昇させる.したがって,日本をはじめとする世界の多くのガイドラインでは,高血圧を合併する糖尿病患者は心血管疾患のハイリスク群として位置づけられ,厳格な降圧が求められてきた.しかし,Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes Blood Pressure(ACCORD-BP)やThe International Verapamil-SR/Trandolapril study(INVEST)試験の結果から,130/80 mmHg未満という従来の降圧目標値は低すぎるのではないかという議論が起こり,米国糖尿病学会(ADA)のように,実際に降圧目標を140/80 mmHg未満と緩める動きもでてきている.日本でも,日本高血圧学会が2014年を目指してガイドラインを改訂する準備を始めている.本特集では,日本のエビデンスも取りあげながら,これらの課題について現時点でのまとめをしたいと企画した.
 まず,日本での疫学を明らかにする.non-dipperや早朝高血圧の意義を見直し,また最近応用可能となった持続血糖モニター(CGM)と血圧日内変動などの新しい知見を解説いただく.そして,ARBによる治療が糖尿病性腎症や網膜症の進展防止のみならず,発症予防に有効であるという新しい知見も取りあげたい.降圧薬の選択についても,RA系阻害薬が第1選択薬であることは論を待たないが,第2選択薬としてCa拮抗薬がよいのか利尿薬がよいのか,あるいはARBの増量がよいのか,最近の配合薬や直接的レニン阻害薬,鉱質コルチコイド受容体阻害薬なども交えて理解を深めたい.最後に,新しい血糖降下薬として汎用されるようになったDPP-4阻害薬の心血管系への影響についても学び,降圧薬との相互作用について注意喚起をしたい.

片山茂裕
(埼玉医科大学 内分泌・糖尿病内科 教授,埼玉医科大学病院 院長)
特集●糖尿病性合併症を考慮した高血圧治療
特集にあたって/片山茂裕
I.糖尿病患者の高血圧の特徴
1.糖尿病患者における高血圧の疫学と成因/斎藤重幸
2.血糖変動と血圧・交感神経系:CGMとABPM同時計測/江口和男
II.糖尿病患者の高血圧治療計画と降圧目標
1.日本における糖尿病合併高血圧の降圧目標を考える/久代登志男
2.日本のエビデンス1:HOMED-BP研究/今井 潤 他
3.日本のエビデンス2:J-DOIT3研究/植木浩二郎 他
4.ガイドラインにおける糖尿病患者の高血圧治療アルゴリズム/片山茂裕
III.高血圧と糖尿病性合併症
1.糖尿病性腎症病期別の降圧治療に関するエビデンス/馬場園哲也
2.糖尿病網膜症と高血圧:RA系阻害薬の可能性/石田 晋 他
3.糖尿病性神経障害と高血圧・低血圧/麻生好正
IV.降圧薬の選択
1.糖尿病患者における降圧薬の選択/宇津 貴 他
2.RA系のdual blockの功罪/市原淳弘 他
3.アルドステロン・ブレイクスルーと鉱質コルチコイド受容体阻害薬の可能性/小川 晋
4.インクレチン関連薬の降圧作用とACE阻害薬による血管浮腫の増強作用/波多野雅子 他

連載
・糖尿病の運動療法
第7回 身体運動と糖尿病:疫学的研究成績
曽根博仁