HOME雑誌月刊糖尿病 > 月刊糖尿病14年2月号
月刊糖尿病 13年5月号
月刊糖尿病2014年2月号 SOLD OUT

2014年1月27日発売
A4変型判/80頁
価格:本体2,500円+税
ISBNコード:978-4-287-82057-5
全ページカラー印刷

特集●糖尿病性腎症への新たな挑戦−インクレチン関連薬への期待−

企画編集/四方賢一
画像をクリックするとサンプルをご覧いただけます
目次[PDF 特集[PDF 連載[PDF 連載[PDF
 糖尿病性腎症は,我が国における末期腎不全の原因疾患の第1位を占めており,2012年には1万6千人あまりの糖尿病患者が慢性透析療法に導入されている.腎症を合併した患者では,心血管死のリスクが上昇すること(心腎連関)がよく知られており,腎症の発症と進展を抑制することは,糖尿病患者の生命予後を改善するための喫緊の課題である.
 糖尿病性腎症の成因にはさまざまな要因が関与しており,それぞれに対する特異的な治療薬の開発が進められているが,残念ながら現時点では,腎症に対する有効性が臨床的に確立されている薬剤はACE阻害薬とアンジオテンシン受容体阻害薬(ARB)のみである.
 インクレチン関連薬にはGLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬があるが,前者はGLP-1受容体に作用することで,後者はGLP-1とGIPの分解を抑制することで,膵臓におけるインスリン分泌の促進とグルカゴン分泌の抑制を介して血糖降下作用を発揮して,2型糖尿病治療薬として優れた有効性を示す.最近,インクレチン関連薬の膵外作用として,血管保護作用や抗炎症作用が注目を集めている.GLP-1受容体は膵臓のみならず腎臓にも発現しており,GLP-1は膵臓のみならず腎臓に対してもなんらかの作用を示す可能性がある.また,DPP-4は腎臓に多く存在することが知られているが,その機能は明らかにされていない.基礎的研究では,インクレチン関連薬が血糖非依存的に腎保護作用を示すことが報告されており,インクレチン関連薬が糖尿病性腎症に対して臨床的な有効性を示すことが期待される.
 本特集では,糖尿病性腎症とインクレチン研究のエキスパートの先生方に執筆をお願いして,糖尿病性腎症の現況,成因に対する新たな知見,インクレチン関連薬の基礎,インクレチンの腎保護効果に関する基礎的・臨床的知見を解説していただき,インクレチン関連薬の腎症に対する効果について考えてみたい.
四方賢一
(岡山大学病院 新医療研究開発センター,糖尿病センター)
特集●糖尿病性腎症への新たな挑戦−インクレチン関連薬への期待−
特集にあたって/四方賢一
Ⅰ.糖尿病性腎症の診断と治療/北田宗弘,古家大祐
Ⅱ.糖尿病性腎症の成因/滝山由美,羽田勝計
Ⅲ.インクレチン関連薬の基礎:作用機序と臨床効果/原島伸一,稲垣暢也
Ⅳ.糖尿病性腎症の成因に対するインクレチンの効果(基礎と臨床)
1.インクレチンとAGEs/山岸昌一
2.インクレチンと肥満/藤田浩樹,山田祐一郎
3.インクレチンと炎症/小寺 亮
4.インクレチンと血圧/久米真司

■連載
・糖尿病の運動療法
第8回 骨格筋のインスリン感受性調節
窪田直人,窪田哲也,門脇 孝

・テーラーメイド医療〜糖尿病における現状と展望〜
第12回 2型糖尿病(分泌低下 vs 抵抗性,肥満 vs 非肥満)
宮川潤一郎