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| 月刊糖尿病2014年8月号 SOLD OUT |
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2014年7月22日発売
A4変型判／96頁
価格：本体2,500円+税
ISBNコード：978-4-287-82062-9
全ページカラー印刷
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特集●糖尿病に潜む骨折危険性-糖尿病関連骨粗鬆症の病態と管理-
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| 企画編集／杉本利嗣 |
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生活習慣病と骨粗鬆症には，罹病患者数の多さ，酸化ストレスが重要な病因であること，また予防の重要性が力説されていることなど，多くの類似点がある．治療目的も，心血管イベントおよび骨折の防止とそれぞれ明確化されており，これらはQOL低下の防止や，寝たきり患者増大の防止にもつながることから，まさに生活習慣病と骨粗鬆症はプライマリケア診療の2本柱といえる．従来から，骨粗鬆症と動脈硬化・血管石灰化は併存しやすいことはよく知られている．そしてこれは加齢に伴う単なる併存ではなく密接な関連性があり，骨・血管相関と称されている．実際，臨床的にも心血管イベントの危険因子として骨粗鬆症の存在が挙げられている．さらに最近，動脈硬化症の代表的な原因疾患である糖尿病，脂質異常症，高血圧そして慢性腎臓病（CKD）などの生活習慣病と骨代謝にも双方向性の密接な関連性が存在することが注目されている．このなかでも最も注目されているのが糖尿病と骨粗鬆症の関連である．
長期に血糖コントロールが悪い糖尿病患者では骨粗鬆症の合併が多いことは1948年にカルシウム・骨代謝研究の草分け的存在であるAlbrightにより指摘されていた．その後，2型糖尿病患者では骨密度は維持されていることなどのため，糖尿病合併症としての骨粗鬆症の注目度は高いとはいえなかった．しかし2000年代に入り1型糖尿病のみならず2型においても骨折のリスクが高いことを示す報告が累積してきている．脆弱性骨折をきたす起点として転倒が挙げられ，糖尿病患者では神経症や網膜症などの合併症により上昇する転倒リスクが骨折リスク高値のひとつの要因として挙げられる．近年，これに加え糖尿病では骨質劣化型の骨脆弱化をきたすことで世界的なコンセンサスが得られている．骨質は構造特性と材質特性に大別されるが，糖尿病においては後者，とりわけコラーゲンの質の劣化が注目されている．このようなデータの蓄積により，『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン』では，2型糖尿病を代表とする生活習慣病関連骨粗鬆症が続発性骨粗鬆症をきたす代表例に位置づけられている．糖尿病における骨脆弱性亢進機序として，活性酸素産生亢進による酸化ストレスの増大による終末糖化産物の骨基質への蓄積や骨細胞・骨芽細胞のアポトーシスの亢進，骨芽細胞分化の抑制などが挙げられている．そして現在，生活習慣病における骨質劣化を評価するマーカーの探索やその治療法に関する研究が急ピッチで進められている．
糖尿病関連骨粗鬆症においては，骨密度から想定される以上に骨折リスクが高まっているため，骨量減少レベルから薬物治療介入を考慮する必要があると思われる．また治療薬の観点から，生活習慣病治療薬が骨折リスクに，そして骨粗鬆症治療薬が動脈硬化/ 脂質代謝など生活習慣病の病態にそれぞれ影響を及ぼすことが明らかとなってきている．このような現状をふまえて，日本骨粗鬆症学会では生活習慣病診療における骨折リスクの評価と骨の健康維持を推進するための診療ガイドを発刊し，生活習慣病を診療する先生方に血管のみならず骨の健康の重要性を認知していただくことを目指している．
本特集では我が国のこの領域のエキスパートの先生方に糖尿病関連骨粗鬆症の病態と管理をテーマに解説していただいた．本企画が糖尿病患者に潜む骨折危険性や糖尿病合併症としての骨粗鬆症の認識を深めることにつながり，明日からの糖尿病診療に少しでも役立てば幸いである．
杉本利嗣
（島根大学 医学部 内科学講座 内科学第一 教授）
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特集●糖尿病に潜む骨折危険性-糖尿病関連骨粗鬆症の病態と管理-
1．糖尿病とカルシウム・骨代謝／福本誠二
2．糖尿病と骨密度，骨代謝マーカー／鈴木敦詞
3．糖尿病と転倒リスク／村木重之
4．糖尿病と骨折リスク／遠藤逸朗
5．糖尿病における骨脆弱化機序／斎藤 充
6．糖尿病における骨折リスクを予測するマーカー／山本昌弘
7．糖尿病における骨血管相関／森 博子，岡田洋右
8．糖尿病治療薬が骨代謝に及ぼす影響／金沢一平
9．骨粗鬆症治療薬が糖代謝に及ぼす影響／今西康雄
10．糖尿病における骨折リスク評価の留意点／竹内靖博
11．糖尿病関連骨粗鬆症における食事療法の留意点／上西一弘
12．糖尿病における骨粗鬆症薬物治療開始基準の考え方／山口 徹
13．糖尿病における骨粗鬆症治療薬剤／田井宣之，井上大輔
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