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月刊糖尿病 13年5月号
月刊糖尿病2015年10月号 SOLD OUT

2015年9月24日発売
A4変型判/96頁
価格:本体2,700円+税
ISBNコード:978-4-287-82076-6
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特集●糖尿病網膜症の診断と治療

企画編集/池田恒彦(大阪医科大学 眼科学教室 教授)
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 わが国における糖尿病患者の総数は950万人と推定され(2012年の厚生労働省,国民健康栄養調査),罹病期間が長いと,高率に3大合併症(網膜症,腎症,神経障害)が生じてくる.糖尿病網膜症は緑内障と並んで成人の主要な失明原因疾患であり,現在は成人の視覚障害の原因疾患の中で第2位に位置している(第1位は緑内障).本邦では年間に約2500〜3000人の失明者がいると推定されている.糖尿病網膜症は病期により,単純糖尿病網膜症,増殖前糖尿病網膜症,増殖糖尿病網膜症の3段階に分類される.この他に特殊な病型として,糖尿病黄斑浮腫,増殖糖尿病網膜症に続発する血管新生緑内障がある.
 糖尿病網膜症に対する治療方針を決定するうえで,その病態を正確に把握することは極めて重要である.糖尿病網膜症の診断の基本は眼底検査とフルオレセイン蛍光眼底造影検査であるが,最近では光干渉断層計(optical coherence tomography;OCT)が非常に有用なツールとなっている.
 糖尿病網膜症の治療は,薬物療法,レーザー光凝固,硝子体手術に大別される.薬物療法としては近年抗VEGF療法が普及し,糖尿病黄斑浮腫の治療成績が向上している.レーザー光凝固は従来の機種に加えてパターンスキャンレーザー光凝固装置が開発され注目されている.硝子体手術は従来の20Gシステムに代わって25Gや27Gなどのmicro-incision vitrectomy surgery(MIVS)が広く普及し,より低侵襲の手術が可能となってきている.
 本特集では,糖尿病網膜症の診断と治療の近年の進歩について,各々の領域を代表するエキスパートの先生方に執筆をお願いした.本特集により,糖尿病網膜症の最新の知識を吸収して頂ければ幸いである.
池田恒彦
(大阪医科大学 眼科学教室 教授)
1.糖尿病網膜症の疫学/川崎 良
2.糖尿病網膜症と基礎研究/野田航介
3.糖尿病網膜症の病期分類/高村佳弘
4.糖尿病網膜症と眼循環/喜田照代
5.糖尿病網膜症の画像診断/村上智昭
6.糖尿病の全身状態と網膜症/廣瀬 晶
7.眼科と内科の診療連携/大野 敦
8.糖尿病網膜症に対するレーザー光凝固/野崎実穂
9.糖尿病網膜症に対する薬物療法/志村雅彦
10.糖尿病網膜症に対する硝子体手術/鈴間 潔
11.血管新生緑内障の診断と治療/石田恭子