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																| WOC Nursing 14年7月号 |  
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																| A4変型判 価格:本体2,000円+税
 ISBNコード:978-4-287-73010-2
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 特集●創傷の予防と治癒のための栄養療法
 企画編集/東口高志
 
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										| 日本の高齢化は歴史上類を見ない速度で進行しており,年々医療を必要とする高齢者は増加する一方で,それを支える医療従事者数はもちろんのこと,財政面で医療サービスを担う国内総生産は減少を余儀なくされています。さらに,日本における年間死亡者数は2011年には120万人でしたが,25年後の2035年には170万人に達するとされています。病床数および病院施設が減少の一途を辿るなか,このままではおよそ50万人の患者の行き場所が存在しないという事態が待ち構えています。これに対する対策として,私たちは以前より,在宅移行を含む地域医療連携の充実や創設,地域完結型医療の推進などを提案し,支援してきました。そのような社会福祉・医療体制の改革のなかで,栄養管理はその基盤をなすものとして注目されてきました。 また,最近の医療施設運営のなかで,在院日数の短縮は避けて通れないものとなっています。治療効果が良好で,実際に身体機能も十分に維持・改善して,早期に退院できるのであればこれに勝るものはありませんが,逆に短い在院日数で規定され,十分な回復・治癒が得られないまま,また十分な経口摂取もとれぬまま退院せざるを得ない現実があります。これにおいても入院から在宅に至るまでのすべての医療を支えるべく栄養管理が必要となります。
 このような日本の社会状況を踏まえて,2001年,日本静脈経腸栄養学会(現 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会;JSPEN)は,全国の医療施設に栄養サポートチーム(NST)を立ち上げ,日本に新たな栄養管理体制の構築をはかるためにNSTプロジェクトを設立しました。このプロジェクトによって2014年の現在,1500以上の施設のNSTが構築されるようになってきました。しかも,プロジェクトの立ち上げ当初より,NST活動は施設内にとどまらず“地域一体型NST”の構築,すなわち栄養管理で結ぶ地域医療連携の確立にいたるまでの目標を設定してきました。そのNST活動のなかに,高齢者を中心とする栄養障害例や栄養不良の高リスク症例(likelihoods of malnutrition;LOM)に対する栄養管理を駆使した創傷治癒の促進と褥瘡予防があります。
 今回,本特集企画「創傷の予防と治癒のための栄養療法」は,高齢者の創傷をいかに早期に治癒させるか,あるいは創傷の発現をいかに予防するかが,テーマです。今回,ご執筆いただいた先生方は,いずれも創傷治癒や褥瘡管理,および創傷を代謝栄養学の立場から促進させる栄養学の専門家で,しかも日本の第一人者ばかりという豪華な顔ぶれとなっています。本特集企画を通して,いったいどのように創傷が治癒するのか,逆になぜ創傷が発生し悪化するのか,何が創傷治癒を促進し,逆に阻害するのかなど,それぞれの内容はきわめてわかりやすく,また全体を通しても系統立てて記されており,臨床の現場はもちろんのこと,教科書や参考書としても十分にお役に立てるものと自負しています。
 今回の企画をお読みになられて,1人でも多くの患者の創傷治癒が促進され,また褥瘡をはじめとする不本意な創傷の発生が予防されることを心より願います。そして将来において,日本の進行する高齢化対策の一助となればこのうえない喜びです。
 
 
												東口高志(ひがしぐち たかし)藤田保健衛生大学 医学部 外科・緩和医療学講座 教授
 
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												1章	代謝栄養学からみた創傷治癒過程−健常者	市岡 滋2章	低栄養と創傷治癒	鈴木理央・大浦紀彦
 3章	創傷治癒における蛋白代謝の重要性	飯島正平
 4章	創傷治癒における糖代謝のかかわり〜高血糖による諸問題〜	寺島秀夫
 5章	創傷治癒と脂質代謝	二村昭彦 ほか
 6章	微量栄養素と創傷治癒	田中芳明 ほか
 7章	創傷ケアにおける周術期栄養管理の役割	小山 諭 ほか
 8章	褥瘡患者における栄養管理〜褥瘡発生と栄養管理との関係〜	足立香代子
 9章	熱傷に対する栄養管理	佐藤格夫 ほか
 10章	糖尿病に伴う難治性潰瘍の栄養療法	寺師浩人
 11章	がん患者の創傷ケアにおける栄養療法	西口幸雄
 12章	代謝栄養学を駆使した創傷予防と治癒促進の試み	大原寛之 ほか
 
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