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WOC Nursing 15年4月号
A4変型判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-73019-5
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特集在宅に注目! 無理をしない・させない褥瘡ケア
企画編集/切手俊弘(彦根市立病院 外科副部長)
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 かつて“褥瘡は治らない”といわれてきました。高齢者の増加に伴い,寝たきりのお年寄りが褥瘡を患う機会が多くなってきました。褥瘡のメカニズムが徐々に解明され,“褥瘡は治る”ようになってきたのは遠い昔の話ではありません。そして現在は“褥瘡をつくらない,予防する”時代へ進化しています。しかしながら,日本において褥瘡の有病率はなかなか下がっていきません。高齢者の人口割合はますます増加し,病院以外で寝たきりの人の褥瘡が減っていないのです。
 平成26年度の診療報酬改定では“在宅でチームを作り褥瘡をケアする”ことを推奨しています。これからの褥瘡ケアは「在宅での褥瘡ケア」が重要なのです。しかし在宅の現場に介護の手はまだまだ足りません。少ない人数でたくさんのことを“こなしている”のが現状でしょう。それなら“効率よく”ケアを行わなければなりません。従来,病院や診療所で行われてきた“褥瘡対策をチームでケアして,褥瘡発生を予防していきましょう”という考えが,ようやく在宅に向けられはじめました。
 在宅の現場では,24時間365日,同じメンバー体制でケアを継続しなければなりません。そこに無理が生じてはケアの継続は困難になります。在宅での褥瘡ケアのポイントは“がんばりすぎない”ことです。けっして手を抜くことではありません。利用者に無理をさせない・家族そして医療者も無理をしない効率のよい褥瘡ケアが必要なのです。無理がなければ,そこに“ゆとり”が生まれます。心のゆとり,ケアのゆとりが,在宅ケアで大切な「安心・安全・安楽」の提供につながります。
 今回の特集では,どうすれば在宅での褥瘡ケアを効率よく行えるかを,いろいろな職種の立場から執筆していただきました。褥瘡は局所のケアも大切ですが,いろいろな方面からトータルにケアすることが治療・予防の近道です。在宅を知れば,褥瘡ケアの考え方も変わります。そして,もっと大きな高齢者の問題がみえてくるはずです。在宅でどのようなケアが必要なのか,また病院との連携はどうすればよいかなど,創傷ケア専門の読者の皆さまにとりまして,ちょっとした“隠し味”になれば幸いです。
切手俊弘
彦根市立病院 外科副部長
1章
2章
3章
4章
5章
6章
7章
8章
9章
10章
11章
12章
これからの褥瘡ケアはこうなる/切手俊弘
在宅につなぐ褥瘡治療/藤井美樹・寺師浩人
褥瘡ケアにおける在宅環境調整のポイント/中北順子
在宅ケアで活かせる褥瘡看護/片岡ひとみ
在宅での効率よい局所処置のために/石井義輝
訪問看護における褥瘡ケアの秘訣/寺嶋和子
皮膚・排泄ケア認定看護師の在宅訪問看護/北川智美
あきらめない在宅リハビリテーション/志田清美
介護職の褥瘡ケアへの関わり方/大場広美
褥瘡ケアの家族看護/大網さおり
薬剤師の在宅介入で褥瘡はこう変わる/水野正子
在宅での栄養管理で褥瘡は改善する/横田早知・中村深雪