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WOC Nursing 16年11月号
A4変型判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-73038-6
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特集褥瘡をめぐる急性期医療と在宅医療のコラボレーション〜シームレスな治療・ケア提供をめざして〜
企画編集/袋 秀平(ふくろ皮膚科クリニック 院長)
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 日本褥瘡学会の調査によれば,病院や施設の褥瘡有病率は2013年の時点で2%を切っていますが,在宅のそれはまだ2.61%とされています。それでも2006年に8.32%,2009年には5.45%であったことを考えれば,順調に低下しているといえるでしょう。こうした改善を続けているのは,褥瘡ケアに関する知識,用具,治療法が進歩し,それが在宅ケアに取り入れられてきたからだと思われます。エアマットは,病院や施設よりもむしろ在宅での普及率のほうが高くなっています。局所治療も,一部を除けば病院と同じようにできます。しかし患者さん(療養者さん)をケアする医療・介護スタッフの数は比べようがありません。褥瘡対策チームが存在し,多くの職種が常勤スタッフとして周囲にいる病院に対して,ただ退院してきただけの状況では家族しかいない在宅では,大きなハンディキャップがあります。それでも以前と比べれば,ケアマネジャーや訪問看護師を中心にして在宅チームを構築する技術や経験は進んでいるように感じます。
 2014年の診療報酬改定で,「在宅患者訪問褥瘡管理指導料」が新設されました。医師,看護師,管理栄養士がチームとして往診をおこない,必要なケアをおこなって計画を立てるなど条件を満たした場合に,半年の間に2回,750点を請求できるというものです。在宅における褥瘡のチーム医療が,初めて診療報酬の形で評価されたという点では画期的なことです。医療側からいうとまだ不十分な点が多々あり,なかなか請求できない点数であることもまた事実ですが,今後も連携を進めて実績を積み上げて,新たな点数をいただけるように努力していくことも必要だと思います。
 今回,「褥瘡をめぐる急性期医療と在宅医療のコラボレーション〜シームレスな治療・ケア提供をめざして〜」というお題をいただきました。前述のように,病院では褥瘡対策が進み,また在宅においてもそれなりの成果が出てきています。全国や各都道府県単位のセミナーだけでなく,小さい地域での勉強会などもさかんに開催されるようになり,在宅での多職種連携は発展しつつあります。ところが病院と在宅の「つなぎめ」については,いままであまりかえりみられず,問題が多いように思います。私のように病院を退職後に開業してから長い年月が経った者にとっては,もはや病院のなかはブラックボックスです。また急性期病院に勤務される先生方,看護師のみなさんも,地域の開業医の顔を知っている方はそれほど多くないことでしょう。最近でこそ中核病院が主催する地域の病診連携の会などが増えてきましたが,それでも在宅からみた病院,また病院にとっての在宅に対する心理的な敷居は,まだ高いといわざるをえません。
 いざ考えてみるとなかなか企画しにくいテーマでしたが,各職種によっていろいろなお考えをお持ちであるのではと推察し,今回はさまざまな職種の方にご執筆をお願いしました。みなさまのお仕事のお役に立てる内容になっていれば幸いです。
袋 秀平
ふくろ皮膚科クリニック 院長
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診療所と病院の連携
 1. 褥瘡における皮膚科開業医と在宅医療・急性期医療との連携/堺 則康
 2. 医療機関が少ない地域での褥瘡の取り組みと工夫/石黒和守
病院の立場から
 3. 急性期病院皮膚科と在宅の連携/岡田克之
 4. 大学病院と在宅の連携の実態/中村優子,山田千寿
 5. 一般病院と大学病院の連携〜在宅における褥瘡治療とは〜/吉川昌男
連携をめぐるナース,ケアマネジャーの活躍
 6. 急性期病院と在宅の連携〜訪問看護師の役割〜/仲摩光子
 7. 在宅WOCナースからみた病診連携/熊谷英子
 8. 病院と在宅の調整〜ケアマネジャーとして〜/高砂裕子
多職種の奮闘
 9. 栄養士が関わる急性期病院と在宅の連携/江頭文江
 10. 在宅におけるリハビリテーション
  〜褥瘡患者の訪問リハビリを通してのシームレスな連携を考える〜/近藤龍雄
 11. 病院と在宅の連携〜薬剤師の役割と薬剤師からのメッセージ〜/森川 拓
病院と地域の架け橋
 12. 中核病院と地域の連携〜勉強会の開催〜/仙石真由美
〔SPECIAL REPORT〕
尿失禁に伴うニオイ対策/清藤友里絵
〔お知らせ〕
第13回日本褥瘡学会関東甲信越地方会学術集会のお知らせ
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