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WOC Nursing 17年1月号
A4変型判
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-73040-9
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特集排尿自立指導料の実際
企画編集/鈴木康之(東京都リハビリテーション病院 副院長,泌尿器科)
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 皆さんご承知のとおり,平成28年度診療報酬改定により「排尿自立指導料」が新設され,週1回200点,1人につき6回を限度に算定できるようになりました。この領域の診療報酬算定実現は,日本創傷・オストミー・失禁管理学会と,日本排尿機能学会・日本老年泌尿器科学会などの長年にわたる努力が実を結んだものと思います。学会期間中に特別企画を実施し,休日に講習会をおこない,指定日時に陳情に赴き,期日までに指摘内容をクリアするために,多くの皆さんが多忙のなかを大変な努力をされていたのを垣間見て,ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)という言葉を思い出しました。
 排泄管理は日常生活と表裏一体の重要分野との認識がありますが,医療全体からみると,がん,心疾患,脳血管疾患などの生死に直結する病態に比べると優先順位が低かったのは致し方ないことと感じていました。しかし,医学の進歩により,がん全体の治癒率は格段に向上し,国を挙げてのメタボリック症候群対策も功を奏しつつあります。最近は,生活の質(QOL)の重要性の再認識のもと,ロコモティブシンドロームや健康寿命という概念が,より強調される時代となっています。さらに,疾病のみならず加齢による機能低下に対しても,速やかな対策が求められています。
 医療環境が厳しくなったということは,よく耳にします。その要素は多岐にわたりますが,なかでも“兵糧攻め”にあたる医療機関の収入減少はその根本ではないでしょうか。日本の医療機関のほとんどは健康保険の診療報酬に頼っています。診療報酬は,中央社会保険医療協議会(中医協)の議論を踏まえ,国(厚生労働大臣)が決める仕組みになっています。残念ながら,人口高齢化で個々の診療報酬点数が抑制されたのは当然の帰結でしょう。その結果,医療機関の収入は伸び悩み,生き残るために,とれる診療報酬の確実な算定はすべてにおいて最優先事項となり,医療機関の経営者はみずからの理念すらも破棄せざるをえないことも,しばしばあるようです。
 このような時代背景からも,排尿自立指導料算定は福音の1つになっています。しかし,実際の算定には多大なる困難があります。まず,説明文章の解釈です。“専任”とは? “関与”とは? “経験”とは? “マニュアル”は流用可能? などと疑問はつきません。解釈の間違いは,悪意がなくても不正請求に直結します。さらに,医師,看護師,理学療法士のチーム・病棟看護師の選任は,多忙な職員に追加業務を強いることにもなります。また,医療機関によっては,指導者不在の未知の業務になっているところもあるでしょう。そこで本特集では,“排尿自立指導料の実際”と題して,実践的な内容をめざして,この分野を牽引する日本トップレベルの皆さんにご執筆をお願いしました。貴施設での排尿自立指導料の算定に役立つことを願っています。
鈴木康之
東京都リハビリテーション病院 副院長,泌尿器科
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保険診療の基礎と診療報酬のしくみ/斎藤忠則
排尿自立指導料算定の実際/冨士幸蔵,直江道夫,小川良雄
看護師がおこなう排尿自立指導−看護師が得意な治療とは−/谷口珠実
医師がおこなう排尿自立指導−留置カテーテルの適応・不適応と抜去後の排尿障害対策−/橘田岳也
留置カテーテルの適応・不適応と抜去後の排尿障害対策−看護師の視点−/梶原敦子
理学療法士がおこなう排尿自立指導−理学療法士の下部尿路機能障害治療とは−/鈴木重行,井上倫恵
排尿自立指導料算定において医師の果たすべき役割/三井貴彦,武田正之
排尿自立指導料算定において看護師の果たすべき役割/野崎祥子
臨床現場での用意と実行まで/高崎良子
排尿ケアチームの理学療法士として−実態と苦悩−/栗田麻衣子,佐藤 藍
排尿自立指導料のための日本コンチネンス協会の対応/西村かおる,谷口珠実,山崎章恵,梶原敦子
排尿自立指導料算定のためのサポートツールとよくある質問『Q&A』/吉田美香子
〔お知らせ〕
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