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WOC Nursing 17年12月号
A4変型判
2017年12月発行
価格:本体2,000円+税
ISBNコード:978-4-287-73049-2
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特集創傷治癒機転からみた褥瘡患者の栄養管理
企画編集/東口髙志(藤田保健衛生大学医学部 外科・緩和医療学講座 教授)
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 本誌をご愛読されている皆さんは,褥瘡がなぜ発生し,どのように増悪し,また治癒していくのか,すでにご理解いただいていると思います。しかしながら世界の情勢を見回すと,医学および科学の進歩はめざましく,私たちのように実際の現場で医療をおこなう者にとっては,常に新しい知見と情報の取得が必要とされます。すなわち,褥瘡治療を取り巻く新しい潮流を知ることによって,これまで治療しきれなかった難治性褥瘡に対する新たな治療法の開発と普及が得られることもあります。また,がん終末期のように悪液質の進行による身体組織の脆弱性の亢進と活動性の低下に伴う対応困難症例においても,創傷治癒を促進させる可能性が論じられるようになることもあります。
 本特集では,創傷治癒機転を常に念頭に置いて,それをフルに活性化させる代謝栄養学的促進法と,新たな付加的治療の併施による褥瘡管理法を追求したいと思い,この領域の指導者ならびにトップランナーの先生方に知恵を絞っていただくことにしました。創傷治癒機転と栄養管理との関連を,局所から全身にわたって追求し,そして投与する栄養素がもたらす創傷治癒促進の効果とその機序についても代謝栄養学や創傷治癒学の立場から言及していただきます。とくに,糖代謝,脂質代謝,蛋白・アミノ酸代謝の三大栄養素と,ビタミン・ミネラルなどの微量栄養素における創傷治癒促進の基本的な機序を示していただきます。これに加えて,最近話題のω3系(n-3系)脂肪酸や分岐鎖アミノ酸,グルタミン,アルギニン,そしてロイシンの代謝産物であるHMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)などの効果にも言及していただきます。さらに,著しい速度で進行する高齢社会では,医療や福祉の現場だけでなく,生活支援の場における褥瘡予防も非常に重要です。高齢者では一度褥瘡を発生させると,組織の耐久性だけでなく,「食力(しょくりき)」も低下して,著しいサルコペニアに陥ることも少なくありません。このことはさらに精神的な活力も奪い,ADLが低下し,さらにはフレイル(虚弱)に陥ります。このなかでいかに褥瘡の発生を予防し,万が一発生しても早期に改善させるかの試みが大切と考えます。
 最後の最後まで人はいきいきと生き,そして幸せに逝かなければなりません。そのためには常に新たな知識と技術を駆使して,代謝栄養学的な見地からも,決して容易に褥瘡を発生させない,そして発生してもすぐに改善させるような体制づくりが必要と思います。本特集をお読みになり,少しでも皆さんのお役に立てればとても幸せです。
東口髙志
藤田保健衛生大学医学部 外科・緩和医療学講座 教授
1. 代謝栄養学からみた褥瘡の発生機序/東口髙志
2. 創傷治癒と栄養不良/佐藤格夫,安念 優,森山直紀,中林ゆき
3. 創傷治癒と全身代謝動態/日笠志津,市岡 滋
4. 糖代謝異常と褥瘡治療/森 みさ子
5. 褥瘡治療におけるω3系脂肪酸の投与効果/森川 拓
6. 褥瘡治癒における蛋白質の投与効果/中瀬 一
7. 創傷治癒を促進するアミノ酸と褥瘡治療への応用/西岡心大
8. 褥瘡治療で必要な微量栄養素に対する対応/飯島正平
9. 褥瘡治癒促進のための栄養と運動療法/吉村芳弘,小堀加菜恵
10. 高齢者褥瘡患者の栄養管理と生活支援/中村悦子
11. 終末期がん患者の代謝制御と褥瘡治療/二村昭彦,東口髙志,伊藤彰博
〔お知らせ〕
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お詫び
 当該号の掲載記事「9. 褥瘡治癒促進のための栄養と運動療法」(吉村芳弘・小堀加菜恵)の内容につき,お詫びと追加コメントをいたします。
 本文中にて文献21)西岡心大:低栄養とリハビリテーション栄養管理の考え方−特にエネルギー必要量に関して−.日静脈経腸栄会誌,31(4):944-948,2016.からの引用箇所が多岐にわたっており,引用の仕方が不適切でした。この場をお借りして関係者の方にお詫びいたします。(著者,編集部)