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WOC Nursing 18年11月号
A4変型判
2018年11月発行
価格:本体2,400円+税
ISBNコード:978-4-287-73060-7
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特集女性泌尿器科疾患診療のミソ!
企画編集/藤原敦子(京都府立医科大学 泌尿器科学教室 講師)
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 泌尿器科といえば男性の科! というイメージをもたれている方がまだまだ多いかもしれませんが,泌尿器科が扱う疾患のなかには,尿失禁や骨盤臓器脱などの女性に頻度が高い,もしくは女性特有の疾患があります。たとえば,2002年に日本排尿機能学会が行った疫学調査では,週1回以上尿失禁がある女性は,腹圧性尿失禁で12.6%(男性は3%),切迫性尿失禁で10%(男性は7.3%)と報告されています。また,骨盤臓器脱に関しては,海外での報告では,子宮のある50〜79歳までの女性の約15〜35%がなんらかの骨盤臓器脱を有しているという報告があります。さらに,米国の調査では,生涯に女性の11%が尿失禁か骨盤臓器脱で手術を受けるという報告もあります。しかしながら実臨床では,症状があっても羞恥心から病院を受診できず,受診までに1人で何年間も悩んできたという患者を多く経験するのが実情で,泌尿器科はまだまだ女性にとって敷居の高い場所であると思います。
 女性に多い泌尿器科疾患は,がんなどとは違い命の危険をきたすことはまれですが,QOLを著しく害するため,女性のwell being(身体的,精神的,社会的に良好な状態にあること)の実現のためにはその対処が非常に重要です。女性は男性と解剖学的に異なり,女性下部尿路症状の発症には加齢や分娩による骨盤底の脆弱化が大きく関与しています。2013年に日本排尿機能学会から出された「女性下部尿路症状診療ガイドライン」でも,薬物療法や手術療法のみならず,生活指導や理学療法が高く評価されており,医師のみではなく看護師,理学療法士など多職種連携がとくに重要と考えます。とくに失禁のプロであるWOCナースの皆さんの,この分野における協力,活躍は治療成功のために必須と考えます。
 この特集では,女性泌尿器科疾患のなかでとくに頻度の高い,過活動膀胱,腹圧性尿失禁,骨盤臓器脱にしぼり,その診断,治療,ケアについて専門家に解説していただきます。この特集により女性泌尿器科疾患への理解が深まり明日からの診療に少しでも役立てば非常にうれしく思います。
藤原敦子
京都府立医科大学 泌尿器科学教室 講師

1. 過活動膀胱の診断/山下かおり
2.過活動膀胱の治療(薬物療法)/金城真実
3. 過活動膀胱の治療:仙骨神経刺激療法について/林 篤正,野村昌良
4. 腹圧性尿失禁の診断/福井彩子,藤原敦子
5. 腹圧性尿失禁の治療(薬物療法,手術療法)/藤﨑章子,嘉村康邦
6. 骨盤底筋体操指導のコツ/重田美和
7. 尿失禁のケア/谷口珠実
8. 骨盤臓器脱の診断/本郷祥子
9. 骨盤臓器脱の治療(保存的療法)/上原里枝,加藤順子,三輪好生
10. 骨盤臓器脱の治療(手術療法)/松下千枝