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WOC Nursing 18年12月号
A4変型判
2018年12月発行
価格:本体2,400円+税
ISBNコード:978-4-287-73061-4
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特集明日から使える認知症患者の尿失禁ケア
企画編集/小内友紀子(ときわ会常磐病院 泌尿器科,東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師)
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 認知症とは,「いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり,働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり,生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヵ月以上継続)を指します」(厚生労働省ホームページから)。
 皆さんご存知のように,認知症患者は,まれにみる高齢化社会である日本において増えつづけています。内閣府の調査によれば,2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人になるとの推計もあります。
 このように身近な認知症ですが,認知障害があることはわかっても,認知症の専門医は少なく,家族や現場は認知症のタイプや詳しい治療の内容がわからないことは多いことでしょう。認知症は進行すると尿失禁が必発するとされ,近くで接している人たちは毎日の尿失禁により,においの問題や衣服,部屋やトイレ周りの清潔に苦労していることが推察されます。
 一般的に認知症の主なタイプは,アルツハイマー型認知症,レヴィー小体型認知症,脳血管性認知症です。認知症にみられる尿失禁のタイプは,過活動膀胱による切迫性尿失禁(尿意を感じてから尿意切迫感が生じて間に合わずにもれてしまう)や,機能性尿失禁(もとになる下部尿路機能障害がなく起きる尿失禁,トイレに行くことを忘れてしまう,足腰がすばやく動かなくて間に合わない)などです。日常生活自立度が低いほど機能性尿失禁の頻度が上昇しますが,前立腺肥大症による膀胱出口部の閉塞などによる溢流性尿失禁や,女性の腹圧性尿失禁が原因になっていることもあります。
 今回の特集では,まず認知症と尿失禁・排尿障害の関係について,押さえておくべき知識を概説していただきます。次に泌尿器科医が認知症患者の尿失禁をみたときにどんな検査,治療を行っていくか,認知症患者の尿失禁をみたときに注意する薬剤やポリファーマシー(薬剤の多重投与)の問題を概説していただきます。
 続いて医療施設や介護施設の第一線でケアをしている方たちに,それぞれの現場での苦労や工夫,そして成功・失敗の事例を教えていただきます。他に女性の骨盤臓器脱患者のケアや骨盤臓器脱で生じる尿失禁のメカニズム,病院内でのケアや対策,介護施設でのケアをそれぞれ述べていただきます。
 さらに,残尿測定器の具体的な使用法や排尿日誌を利用したケア,排尿自立指導料についてや,パッドやおむつを利用するときの工夫なども挙げていただきます。
 明日から現場で使える知識を皆さまのお手元に届けることができ,患者,利用者そして家族が笑顔になって,最終的にこの特集が皆さまのお役に立てれば嬉しいです。
小内友紀子
ときわ会常磐病院 泌尿器科,東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師

1. 認知症患者の尿失禁について,ケアに関わる人が知っておくべきこと〜高齢者にやさしい診療のために〜
 /榊原隆次
2.認知症患者の尿失禁をみたときに泌尿器科医が考えること,診ること〜泌尿器科外来における検査や治療〜
 /小内友紀子
3. 尿失禁の原因となる薬剤とポリファーマシーの問題/小谷桂子
4. 排尿自立指導料における認知症患者のアセスメント/谷口珠実,瀧本まどか
5. 認知症患者の尿失禁ケアからつながる看護研究/正源寺美穂
6. 訪問看護における認知症尿失禁ケアのポイント/山口昌子,尾ノ井美由紀
7. 介護施設での認知症尿失禁ケアのポイント/田巻康弘
8. 一般病院における認知症尿失禁ケアのポイント,私たちの工夫/小澤恵美
9. 認知症尿失禁患者・家族のQOLを高めるおむつ・パッドの使用法/青山史絵,山元ひろみ
10. 骨盤臓器脱女性に生じる尿失禁とその対処法/三輪 幸,上原里枝,鈴木美奈子,西垣亜衣子