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WOC Nursing 19年7月号 SOLD OUT |
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A4変型判
2019年7月発行
定価2,640円(本体2,400円+税10%)ISBNコード:978-4-287-73068-3
全ページカラー印刷
特集●褥瘡を防ぐポジショニング・体位変換・シーティング 〜ベッド上から車椅子,ADLにおける褥瘡予防の取り組み〜 企画編集/北出貴則(医療法人誠佑記念病院 診療技術部リハビリテーション室 室長,理学療法士) |
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今から30年前,褥瘡に対する取り組みは,褥瘡が発生してしまってからのものが主流でした。しかし,今では,褥瘡が発生してしまってからではなく,褥瘡を発生させないような取り組み(褥瘡予防)が主流となっています。
褥瘡発生の考え方は,圧迫が主たる要因とされていましたが,今では外力(圧迫,ずれ,摩擦)が主たる要因であり,かつ身体的な要因と環境的な要因が相まって生じるとされています。
褥瘡の発生は,以前に比べればかなり減少していることには間違いありません。
褥瘡発生の予防効果に寄与しているのは,体圧分散マットレスの普及と機能向上です。それに加えて,被覆材やドレッシング材の普及や使用が大きいです。
また,ポジショニングクッションの素材や形状などの変革も大きな影響と思われます。筆者は理学療法士ですが,褥瘡に対しては予防的な関わりが主です。褥瘡予防対策に関わってきて思うのは,褥瘡を作らないことと同時に,皮膚や軟部組織への刺激,寝姿勢の問題,寝床環境の影響,患者の受容しているさまざまな心理や感覚を考慮するようになったことです。
私たち医療者や介護職は,治療やケアを提供していますが,治療やケアを受ける患者の心理や感覚をどの程度理解しているのでしょうか? 褥瘡で考えると,褥瘡発生の要因が患者に及ぼす影響について,医療者や介護職はどの程度理解しているか? です。
褥瘡に対する教育は,医療や介護の養成校では学習する機会はありますが,褥瘡発生の要因が及ぼす影響を理解する機会は少ないように思います。
つまり,外力が体に生じる体験学習がどの程度行われているのかということです。外力などの体験により,体験したその日から“外力が気になる存在”として認識されるに違いありません。そのような認識,気づきが高められることにより,結果的に予防的・予測的な行動へと変容させることになると思われます。褥瘡の予防は,いかに気づき,予測して行動するかであると筆者は思います。
今回,褥瘡予防についてのさまざまな取り組みを,臨床の立場から述べていただきます。
褥瘡予防に携わることにより,患者の心身機能だけでなく,外力などを含めた患者を取り巻く環境面に対しての気づきや新たな視点が増え,よりよいケアやリハビリテーションの提供につながることを切に願います。
北出貴則
医療法人誠佑記念病院 診療技術部リハビリテーション室 室長,理学療法士
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1. 多職種連携・協働につながる褥瘡予防教育/田中マキ子
2. 褥瘡予防に必要な環境要因のアセスメント/永吉恭子
3. 体位変換の影響と褥瘡予防/大川恵美
4. 褥瘡を予防するポジショニング“サポートと圧抜きの重要性”/北出貴則
5. 不良臥位姿勢へのポジショニング/佐々木基代
6. 移動・移乗介助における褥瘡予防/笠原聖吾
7. 不良な座位姿勢へのシーティング/永井健太,山﨑宏大
8. 食事ケアにおける褥瘡予防/藤澤美江
9. 排泄ケアにおける褥瘡予防/石橋千代美
10. リハビリテーションにおける褥瘡予防/辻 宏
11. 終末期・看取り期における褥瘡予防/前田佳子
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