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WOC Nursing 19年8月号
A4変型判
2019年8月発行
定価2,640円(本体2,400円+税10%)ISBNコード:978-4-287-73069-0
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特集小児ストーマの基本・標準・最新を知る!
企画編集/浅沼 宏(慶應義塾大学 医学部 泌尿器科学教室 准教授)
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 “ストーマ”の歴史は,ヘルニア嵌頓や腹部外傷などで意図せずに出現した腸瘻によって致死的な腹膜炎にならずに生存できることが知られていたことに始まったとされています。18世紀には,西洋医学において鼠径ヘルニア嵌頓,腸損傷,鎖肛などを対象に医療としてストーマ造設が行われるようになりました。そして,この領域の発展・普及は,1950年代の回腸ストーマの造設・ケアが礎となり,1961年の米国クリーブランドにおけるET(enterostomal therapist)スクールの開設が大きく寄与したことが知られています。
 日本においては,1981年に日本ET協会が設立され,小児領域においても1986年に日本小児ストーマ研究会(現・日本小児ストーマ・排泄・創傷管理研究会)が医師と看護師の協働運営で発足しました。これを契機に,それまで医師個人や施設の経験則で行われていたストーマの造設・ケアが,成長と発達の過程にある小児においても最新の知見に基づき標準化されて行われるようになりました。さらに,筆者もメンバーであるこの研究会の学術委員会では,小児のストーマのみならず失禁に対する排泄管理,褥瘡・感染創などの創傷管理の普及を目指して1996年から毎年教育セミナーを全国会場を変えて開催しています。
 そこで今回の特集では,このセミナーで現在講師を担当されている先生方を中心に,消化管ストーマをはじめ尿路ストーマ,胃瘻・気管切開口の原因疾患と造設・ケアやストーマ用品の最新知識などについて,さらに,繊細なスキンケアを必要とする低出生体重児や今後大きな流れとなる在宅ケアを含めた多彩な内容でご執筆をお願いしたいと考えました。本特集が,現在の小児ストーマ管理における“基本・標準・最新”であり,購読者の皆さまの日常診療・看護における一助となれば幸いです。

浅沼 宏
慶應義塾大学 医学部 泌尿器科学教室 准教授


1. 小児ストーマの現状/尾花和子
2. 小児ストーマ用品の最新知識/横山友美
3. 消化管ストーマの原因疾患と造設/髙見澤 滋
4. 消化管ストーマのケア/阿部 薫
5. 尿路ストーマの原因疾患と造設/浅沼 宏
6. 尿路ストーマのケア/鎌田直子
7. 胃瘻・気管切開が必要な疾患と造設法,合併症/金森 豊
8. 胃瘻・気管切開口のケア/奥田裕美
9. 低出生体重児のストーマケア/保刈伸代
10. ストーマ患児の在宅ケア/小柳礼恵