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WOC Nursing 20年3月号 SOLD OUT |
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A4変型判 2020年3月発行
定価2,640円(本体2,400円+税10%) ISBNコード:978-4-287-73076-8
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特集●褥瘡外用薬 選び方・使い方のキホンとコツ
企画編集/関根祐介(東京医科大学病院 薬剤部 主査) |
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褥瘡の局所治療はMoist wound healingとWound bed preparationの概念に基づいて,外用薬や創傷被覆材が用いられています。日本においては外用薬を用いた治療が主流です。これは,日本褥瘡学会の「褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)」と海外のガイドラインを比較しても明らかです。
外用薬は,患部に有効成分を投与することを目的とした薬剤で,その歴史は古く,人類が疾病を認識した時代より使用されつづけているといわれています。外用薬の利点は,病巣への直接投与,投与量の調節,除去による投与中止が可能であることなどが挙げられます。一方で,使用法の均一化が困難なため効果にばらつきが生じる,病態と相反する特性を有する外用薬の使用では病態の悪化をもたらす,全身への作用がある,などの問題点があります。外用薬の構成成分は,主薬(薬効成分)・基剤・添加剤で,主薬が添加剤によって安定的に基剤に溶解あるいは分散することで形成されています。褥瘡治療に用いられる外用薬の主薬の作用は,①殺菌作用,②壊死組織除去作用,③肉芽形成作用,④上皮形成作用に大別されています。一方で基剤は,外用薬の約90%以上を占め,直接創面に接するため,重要な役割を担っています。添加剤は,主薬の安定性維持などの目的以外にも,滲出液の吸収などに効果を示す添加剤(機能性添加剤)も存在します。外用薬を選択する際には,主薬と基剤・添加剤の作用を考慮する必要があります。さらに,各外用薬の特性をふまえて,適正に使用することも重要です。
本特集号では褥瘡外用薬にスポットを当て,選び方・使い方のキホンとコツについて編集をしました。PART 1では「外用薬のキホン」として,外用薬の基剤や後発品について解説します。PART 2では「褥瘡外用薬 選び方のコツ」として,病態に応じた外用薬の選択や,各外用薬を使用するうえでの注意点について解説をします。PART 3では「褥瘡外用薬 使い方のコツ」として外用薬の使用量,使用回数など,外用薬を効果的に使う方法を解説します。PART 4では「褥瘡外用薬の選び方・使い方−実践編−」として,在宅・高齢者・終末期の症例を解説します。
褥瘡治療は,エビデンスの積み重ねによる新しい理論の構築,高齢化社会に伴う治療体制の変化など,あらゆる面で進化・変化をしています。そのため,医療従事者は常に最新の知識を習得しなければなりません。また褥瘡治療においては,多職種との連携が重要となってきます。各職種が持つ専門性を発揮しつつ,共通の眼を持つことで,よりよい治療が行えます。本特集号では外用薬をクローズアップし,皮膚科医・薬剤師の視点を解説しました。褥瘡外用薬を用いた治療について理解を深め,今後の活動における一助となれば幸いです。
関根祐介
東京医科大学病院 薬剤部 主査
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〔PART 1〕外用薬のキホン
①外用薬の剤形と基剤/大谷道輝
②外用薬と水との関係/笹津備尚
③外用薬の安定性/野田康弘
〔PART 2〕褥瘡外用薬 選び方のコツ
①褥瘡の病態に応じた治療戦略〜局所治療の基本戦略〜/門野岳史
②褥瘡外用薬の選択方法(古田メソッドに基づく)〜主薬と基剤を考慮した選択,ブレンドの使用法〜/古田勝経
③褥瘡外用薬の特徴/関根祐介
④浅い褥瘡に用いる外用薬/加納宏行
⑤深い褥瘡に用いる外用薬/生島繁樹
〔PART 3〕褥瘡外用薬 使い方のコツ
①褥瘡外用薬を使用する際のポイント/宮川哲也
②褥瘡外用薬の効果を維持するためのポイント/溝神文博
〔PART 4〕褥瘡外用薬の選び方・使い方−実践編−
①在宅における褥瘡治療の実践/袋 秀平
②高齢者の褥瘡治療の実践/磯貝善蔵
③終末期患者の褥瘡治療の実践/倉繁祐太
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