HOME雑誌WOC Nursing > WOC Nursing 20年6月号
WOC Nursing 20年6月号
A4変型判
2020年6月発行
定価2,640円(本体2,400円+税10%)
ISBNコード:978-4-287-73079-9
全ページカラー印刷
特集医療関連機器圧迫創傷の予防と管理のテクニック
企画編集/中川雅裕(浜松医科大学 形成外科 特任教授)
画像をクリックするとサンプルをご覧いただけます
目次[PDF 特集[PDF 特集[PDF 特集[PDF
 医療関連機器圧迫創傷(medical device related pressure ulcer;MDRPU)は文字どおり医療関連機器の持続的な圧迫によって生じる創傷や皮膚潰瘍ですが,以前は褥瘡の一部とされ,その認識が少なく,科学的な論文も少ない領域でした。一般的な褥瘡に関してはその認知度が高まり,発生原因の解明や予防法の発展で発生率が減少しましたが,MDRPUはその認識が低かったため発生率が減少しませんでした。しかし,『MDRPU ベストプラクティス 医療関連機器圧迫創傷の予防と管理』が2016年に出版されてから今年で4年が経ち,急速にMDRPUの認識が広まり,多くの解説書や文献などが書かれ,学会発表も増加し,認識され改善してきました。そして最近は,Journal of Wound Careの国際コンセンサスドキュメントにおいて,医療機器ではないその他の機器を含めた創傷として機器圧迫創傷(device-related pressure ulcer;DRPU)と表現されるようになり,さらに領域も拡大し新しい認識も必要になるかと思います。
 今回のMDRPUの特集号では,一般病棟ではなく小児病院や手術室・ICUなどの特徴のある場所や,クリティカルケアや足病変など特殊な病態で発生するMDRPUを詳しく写真で説明し,それぞれの特徴に合った予防法を解説しています。予防法の基本として患者1人1人に合わせて,正しいサイズの機器を選択することや製造元が示している使用方法に従い機器を使用することなどが重要になりますが,このような特殊な環境では必ずしもすべての患者にこれらの対応ができないことも多くあります。今回はさまざまな領域の多くの経験を持つ方々に執筆していただきましたので,これらの特殊な環境で働く多くの読者に役に立つ内容と考えます。
 本特集号の内容を明日からの看護やケアに役立てていただければ幸いです。

中川雅裕
浜松医科大学 形成外科 特任教授
1. 総論/大浦紀彦,加賀谷 優,森重侑樹
2. 静岡がんセンターにおけるMDRPUの管理システム/吉川敦子
3. 小児専門病院におけるMDRPU対策と今後の課題/鎌田直子
4. クリティカルケア領域におけるMDRPU予防/志村知子
5. 手術室でのMDRPU/吉村美音
6. ICUでのMDRPU/佐野世佳,若林久美子
7. 血管内留置カテーテル,膀胱留置カテーテルによるMDRPU予防の工夫とポイント/佐野加奈
8. 糖尿病性足潰瘍や重症下肢虚血の治療におけるMDRPUへの対策/
  匂坂正信,奈良誠之,二階堂有加,竹江雄貴
9. 検査・治療部の安静を図るために必要な固定装具により発生したMDRPU/杉本はるみ
10. MDRPUとともに知っておきたい皮膚粗鬆症とその最重症型である深部解離性血腫(DDH)/
  藪野雄大,小川 令